著者 :惣領莉沙
イラストレーター:蔦森えん
レーベル :マカロン文庫
出版社 :スターツ出版
出版年月 :2019年6月
ジャンル :TL、御曹司物
ヒーロータイプ:一途で熱愛系御曹司
ヒロインタイプ:真面目で自己評価低め?
Hシーン :ほんの少し有り
あらすじ
瑞季は勤めていた会社を辞めて親戚のカフェでアルバイトをしていた時に、高校時代に憧れていた柊市と再会する。その日のうちに柊市から食事に誘われ、結婚を前提に付き合いたいと言われる。そして半年後の今日は柊市との結婚式当日。なぜか結婚を急ぎたがった柊市に愛されている実感はあるものの、何か違和感を覚える瑞季。式の進行とともに過去のことが思い出されていき・・・?
ネタバレあり感想
凝った構成のお話で「この先どうなっていくんだろう?」とミステリーのように楽しめました。
ネタバレあり感想とは言え、このお話でネタバレしてしまうと初めて読む方の面白みが薄れてしまうな。
結婚式当日のホテル会場入りや準備シーンから徐々に話が進んでいくんですが、ところどころ回想シーンが挟まります。
高校時代に憧れていた彼との突然の再会、そして彼から「高校の頃からずっと好きだった」と言われ、すぐにプロポーズされ、とても幸せで、そこには疑いがないのに、瑞季は何か忘れているような引っ掛かりを覚えます。
いったいこの結婚の裏にはなにがあるのか?というのが結婚式、披露宴、お色直しと進んでいくうちに徐々に明かされていきます。
お話としては面白かったんですが、なんとなくモヤっと引っかかったところがいくつかあって、一つは「これ御曹司である必要あった?」というところかな。
もちろん、半年で強引にホテルウェディング挙式したり、何回もお色直ししたりできる財力は必要なんだけど、もっと御曹司を背景とした過去のエピソードが出てくるのかと思ったら、そういうのはほとんど無くてちょっと拍子抜け。
まぁ、こういう文庫で出すには御曹司とかエリート要素がないとだめなのかもしれませんが・・・
あともう一つ挙げるなら「結局ヒロインて美人なの?」かな。
本人の視点では高校生の頃、自分は柊市に憧れるだけで全然相手にされなかったってことになってるんだけど、柊市や高校時代の友人目線だと「実は密かに男子に人気があった」ってことになってるし、会社勤めしてたときにも数人に言い寄られてたと書いてあるし。
ヒロインが美人でも全然構わないんだけど、ストーリー上、本人がそう思い込んでるだけにしても、「取り立てて特徴のない私」って最初のうち言ってたのに、実は綺麗なんかーい!ってちょっと思ってしまったね。
別に地味子ちゃんでもええやんけ、と思うんだけど、地味だと思ってるのは本人だけってことにしたかったのかなぁ。
でも柊市の会社の同僚に「彼にふさわしくない」と言われる程度の容姿でもあるんだよね、その辺がよくわからん。
ページ数の問題なのか、若干、話が消化不良に感じてしまいます。
真相はわかったけど、あまり把握できてない過去のエピソードもあったりして。
最後に柊市目線の回想があっても良かったんじゃないかと思います。
ネタバレ避けて感想書くためにマイナス的なことを書いちゃいましたが、この手の小説ではあまりないような構成の面白さがあるので興味がある方はぜひ読んでみてください。