著者 :若菜モモ
イラストレーター:琴ふづき
レーベル :ベリーズ文庫
出版社 :スターツ出版
出版年月 :2020年9月
ジャンル :TL、御曹司物
ヒーロータイプ:モナコ在住のジェントルマン御曹司
ヒロインタイプ:自然児、裏表がなく素直
Hシーン :ほぼ無し
あらすじ
北海道にある祖父の牧場で競走馬を育てている紅里。大事に育ててきた馬・雪丸がフランスへ渡ることとなり、紅里も付き添うことになった。雪丸の馬主は祖父の牧場で見かけたイケメンで、宝飾ブランドの経営者・結城だった。雪丸を送り届けて帰るはずが、結城から「君の祖父に君を女性らしくしつけて欲しいと頼まれている」と言われ、レディ修業をすることに・・・?
ネタバレあり感想
マイ・フェア・レディ的なお話です。
愛馬・雪丸の馬主である結城から「君を女性らしくする」と言われ、紅里は「牧場で働いていくんだから女性らしさなんて必要ない!」と反発しますが、祖父たっての願いであることや、ここにいる間は雪丸に逢いにいけることから渋々レディとしてのレッスンを受けることを了承します。
紅里は牧場育ち(?)なので、わりとガサツで身なりも気にしません。
食事や立ち居ふるまい、ファッションなどあれこれ指導されます。
指導役は明らかに結城に気のある若い女性で、紅里に対し、完全に馬鹿にして見下した態度をしてきますが、紅里はガッツでついていきます。
しかし、そこに事件が起き・・・この辺なかなか悪意が満ち満ちてます。
まぁ、そこはヒーローの結城が何とかしてくれるのですが。
そしてずっと一緒にいるうちに洗練された結城に心惹かれていく紅里。
結城の気持ちも紅里にあることがわかりますが、紅里はいつか北海道に帰る身。
結城との釣り合いも取れないし、祖父の牧場にも問題が起きて・・・と、度々問題の起きる話ですね。
正直言うと結城が紳士的過ぎて、なんか出木杉くんで面白みがなかったです。
紅里を好きになったタイミングの話も途中で出てきますが、聞いてもよく分からないというか、あんまりピンと来なかった。
この手の文庫のタイトル全般そうだからしょうがないんだけど、このタイトル自体もさっき打ってて「なんでこのタイトルなんだろ、嘘や間違いではないが、正しいとも言えん」と思いました。
「独占欲を煽られた」場合はもっとギラギラしてて欲しいんだけど、スマートなんだよね。
もしくは本家マイ・フェア・レディのヒギンズ教授みたいにちょっとひねくれてて欲しい。
とはいえ、モナコが舞台であることや、紅里のガサツさとフランクさという特性や、牧場で働いているという設定が、このジャンルにしては変わってて興味を惹かれます。
マイ・フェア・レディ的展開って王道だけど憧れなんですよね。
紅里が彼女らしさを失わずにレディになっていく様子を応援しながら読めます。