運命の恋人らしいですが、全力でご遠慮致します (鬼頭香月、椎名咲月、フェアリーキス)

TL小説

著者      :鬼頭香月
イラストレーター:椎名咲月
レーベル    :フェアリーキス
出版社     :ジュリアンパブリッシング 
出版年月    :2020年1月

ジャンル   :TL、ファンタジー
ヒーロータイプ:有能王太子、一途で我慢強い
ヒロインタイプ:奥ゆかしい令嬢だが芯はしっかりしている
Hシーン   :ほぼ無し

あらすじ

この世界の伝説では運命の恋人同士の身体に祝福の聖印が現れることがあるとされている。侯爵令嬢のリリーは王太子と隣国の姫のために開かれたパーティーで、王太子と目を合わせた途端に激しい不調に見舞われ倒れてしまう。手当を受けて家に帰ると太ももの内側に聖印が現れていた。聖印の現れた恋人同士は聖印に口づけをして契約を結ぶことになっているが、こんな位置に聖印が出来てしまうなんて・・・!一方そのころ王太子の方にも異変が起きていて・・・。

ネタバレあり感想

正直言うと、タイトルとかAmazonのページ見たときはそんなに内容に期待していなかったのですが、読んでみたらすごく面白かったです!

侯爵令嬢リリーは病弱のため、10歳の頃から温暖な父の領地で過ごしましたが、身体も丈夫になり適齢期になったので王都に戻ってきました。
王都では、武力で勢力を拡大している隣の国と和平交渉を行っており、リリーの父は外務大臣として任に当たっています。
隣の国から姫君が視察に来ており、王太子と結婚する流れが出来ている中で行われたパーティーで、あらすじのとおりリリーに聖印が現れます。
しかも王太子にも対となる聖印が現れます。

リリーの知っている伝説によると、聖印は運命の恋人に口づけしてほしい場所に現れるため、厳格な教育を受けて育ったリリーにとっては「『ライナー家の令嬢は太ももの内側にキスしてほしいと思っている』と世間の人に後ろ指を差されてしまい、家族にも迷惑をかける!」と恐れおののき、絶対に聖印のことを知られるわけにはいかない、と侍女以外の家族にも秘密にします。
王太子は運命の相手がリリーだと確信しているため、度重なる確認の使者をリリーの家に送りますが、リリーは頑なに認めません。

それに、王太子が自分と結ばれては隣国との和平交渉の妨げとなり、外務大臣の父をがっかりさせるどころか、戦争を起こしてしまいます。
内ももの聖印と隣国との関係、この2つがリリーを縛り、「絶対に聖印が現れたことは認めないし、王太子と結ばれるわけにはいかない」と抵抗します。この辺の設定がうまいんですよねぇ。

そして聖印には運命の恋人達が、契約を結ぶまでは互いのことを想って夜も眠れなくなり、動機が激しくなり、近寄るともっと反応が激しくなるという呪い(?)があります。
実は初恋の相手であるリリーに恋焦がれる王太子が、リリーに襲いかかりたい気持ちを抑えながら紳士的にふるまいつつ、実はかなり限界という舞台裏とかがまた萌えるんですよ。
結構策略家だし。
リリーが運命の相手なのは間違いないのに、聖印の存在も認めてもらえず拒否されっぱなしな上に、幼い頃の二人の記憶も忘れ去られている王太子の不憫さもなかなか可愛く、応援したくなります。

抵抗するリリーと執念深く追い求める王太子の恋模様をぜひお読みください。

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