著者 :長野雪
イラストレーター:さばるどろ
レーベル :夢中文庫プランセ
出版社 :夢中文庫
出版年月 :2020年11月
ジャンル :TL、ファンタジー物
ヒーロータイプ:貴族出身で魔法省のエリート、クール
ヒロインタイプ:庶民、サバサバ系、自分にできることをコツコツやる、家族愛強し
Hシーン :有り
あらすじ
色彩魔法に特化した能力を持つイヴリーンは、その能力を生かして染み抜きや染色のお店を営んでいる。田舎で叔父夫婦に育ててもらっている弟への仕送りのために節約して仕事に励んでいるが、魔力が弱く、すぐエネルギー切れとなってしまうため、魔法省のエリートであるヴァイゼルからキスを介して魔力の譲渡を受けている。ある時、ヴァイゼルからもっと効率の良いやり方を提案され・・・?
ネタバレあり感想
なかなか刺激的なタイトルだなー、と心惹かれて読んでみたのですが、好きなタイプのお話でした!
「クールなエリートが実は主人公に惚れこんでるんだけど、主人公はサバサバしててあんまり伝わってない」みたいな関係が好きなんですよね。
あらすじ通り、主人公イヴリーンは使える魔法も一種類だし、魔力も強くない。それでも魔法学校へ通わせてくれた両親に感謝し、魔力の強い貴族たちに馬鹿にされながらも卒業して、今では弟のために自分を犠牲にして仕事を頑張っています。
魔法省のエリート、ヴァイゼルは魔法学校の同期で、モテモテの貴族だったがゆえに、逆に支障のなさそうなイブリーンが実習のパートナーに選ばれた縁で、多少の交流がありました。
この世界では、体液を介して魔力を受け渡しすることができますが、そのような行為は「堕淫の魔女」の行いとして良くないことされています。
ある時、イブリーンが魔力切れを起こしてフラフラな時にヴァイゼルに偶然行き会い、ダメ元でキスをお願いしてみたところ、お説教されつつも引き受けてもらえ、それ以来、時々キスで魔力をもらう仲となりました。
とはいえ、ヴァイゼルは魔法省のエリート様で、バレると外聞が悪いので内緒にしています。
まぁ、そんな感じの2人なんですが、ヴァイゼルにとっては、貴族とかエリートとかそういう目で結婚相手としてコナをかけてこないし、自立して頑張ってるイブリーンが気になる存在なんですよね。最初のうち自覚ないですけど。
でもイブリーンは自分のことを魔力供給相手としてしか見てないっぽくて、面白くない。
ある日、イヴリーンの無意識の色気にあてられて、内心いろいろ抱えてたヴァイゼルの心の箍が外れて、「キスを長く続けるより、手っ取り早く性交した方が手早く多く渡せるだろう?」と言ってしまい、二人は次の段階へ進むことに。
すごいんすよ、中に出してしまっても、意識して魔力として取り込むから妊娠しないんですよ・・・。
イブリーンが処女だったことに動揺するヴァイゼルと、実はヴァイゼルのことを憎からず思っているけど、身分の違いから考えないようにしているイブリーンの恋愛模様と並行して、ヴァイゼルが仕事で取り組む、魔法のからんだ事件が起こりますが、まぁ、事件は案外アッサリ解決するかな?
なかなか胸糞悪い事件でしたけどね。
最終的に二人は結ばれますが、イブリーンが引け腰でヴァイゼルが押せ押せなところが萌えポイントで、最後までニヤニヤできました。
イラストは表紙だけですが、イメージとおりの2人でした!