パーフェクト鬼上司にもどうやら下心があるようです!?(木下杏,上原た壱,チュールキス)

TL小説

著者      :木下杏
イラストレーター:上原た壱
レーベル    :チュールキス
出版社     :ジュリアンパブリッシング
出版年月    :2021年10月

ジャンル   :TL、エリート上司もの
ヒーロータイプ:仕事のできるイケメン上司。厳しいがきちんと人を見る指導力もある。行動が早い。
ヒロインタイプ:人当たりは良いが色気のないいじられキャラに扱われがち。タフで率直。
Hシーン   : 有り

あらすじ

アウトドアメーカーのマーケティング部で働く悠里は、いつも仕事上のことで統括マネージャーの不破にダメ出しをされているが、彼に対する信頼と持ち前のタフさで頑張っている。元々、顔が不破の顔が好みのどストライクなので好意は持っていたが、仕事外の彼に接してますます気持ちが盛り上がってしまった。あるとき社内の懇親イベントで、二人の関係に急展開が起こり・・・?

ネタバレあり感想

以前ご紹介した「今夜、一線を越えます」を書かれた作者さんの小説です。kindleからオススメされたので読んでみました。

悠里は28歳。容姿は普通だと思うが、男兄弟で育ったせいか、運動部ノリのせいか、男性と良い感じになって付き合っても、しばらくすると「女に見えない」と言われてフラれてしまう。職場でもいじられキャラとして扱われています。

小説の主人公ってコミュ障だったり、コンプレックスの塊で自信が無かったりする子が多いですよね。
悠里も女扱いされないことには悩んでいますが、根がタフで素直なのでウジウジはしていません。(同期の友人は何度も愚痴に付き合わされていますが)
また、異動先で、いじられつつもすんなり馴染むコミュニケーション能力も持ち合わせています。
私自身はどちらかと言えば人付き合いは苦手なので、自分と重ねてみることはできないのですが、彼女の物の考え方とかが真っ当な感じがして好感が持てました。

悠里は普段厳しい上司の不破と2人で飲みに行って、彼の仕事外の素の部分を見たことから、なんだか親しくなれた気がして浮かれていましたが、その後も彼の態度は変わらず。

なんだかなー、と気持ちを持て余しているところに、社内の親睦イベントでグランピング施設でバーベキューをすることになります。
そこで偶然二人きりになるチャンスがあり、悠里は不破からキスをされ、「好きだ」と言われます。

いやぁ、悠里でなくても「え、不破さんが私を好き!?」ってなりますわ。
しかも不破さんは手が早い。スルスル~っとその先まで進めてしまいます。

週明け仕事が始まって、なんだか夢見心地だけど、一応付き合ってるんだよね・・・と思うものの、不破は忙しくて話す機会がないし、個人的な連絡先も交わしていない。
そこへ「不破遊び人疑惑」を吹き込まれます。
彼ってすぐに職場の女の子に手を出すから、悠里も遊ばれたんじゃないか、と。
悠里はまっすぐなので「本人に確認しよう」としますが、吹き込んだ人は「自分が不破に睨まれるからやめてくれ」と言います。
相手に対して不信感を抱くものの、それを自分に吹き込む意図が分からず「本当なのかも?」と悩みます。

この先、悠里はこの件に翻弄されていくのですが・・・
私としてはこの小説、「スイッチ入っちゃうとすぐにエロくなっちゃう悠里」に不破が「ああ、もう!」と思いながら興奮しているベッドシーンが良いと思うんですよね~
素直で一生懸命でなんかかまいたくなるだけだと思ってた部下が、すぐにトロ~ンとして「きもちいい」とか言っちゃう。
不破が思わず「身体が素直過ぎて心配になる」と言ってしまうくらい。

あと、不破は仕事ができる優秀キャラではありますが、変にエリート面してなくて、口調もざっくばらんなのですよ。
「エロい顔して見んなよ。せっかく我慢して優しくしてやってんのに」とか「今までもこうやってすぐエロくなってあんあん言っちゃってたのかって言ってんの」とか、雑な口調が良い。
結構明け透けに言うので悠里に「言い方!」と怒られるくらい。

溺愛って感じではないんですが、「俺が選んだ女だから大事にするし、他には目もくれないし、他のやつには手を出させない」感じはきちんとあります。
こいつだ、と決めたら手が早いところとか、全体的にオスみが強くて、こういうヒーローもアリだなぁ、と思いました。
オフィスラブものが好きな方にオススメです!

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