無愛想な覇王は突然愛の枷に囚われる (奏多、 小島ちな、蜜夢文庫)

TL小説

著者      :奏多
イラストレーター:小島ちな
レーベル    :蜜夢文庫
出版社     :竹書房 
出版年月    :2020年11月(電子書籍版)

ジャンル   :TL、御曹司物
ヒーロータイプ:イケメンで有能、有名企業グループの次期当主で「覇王」と呼ばれている
ヒロインタイプ:武道が得意、高級老人ホームで介護士をしている
Hシーン   :有り

あらすじ

玖珂グループの次期当主の慧はセキュリティ会社の社長をしている。ある日、厳重なセキュリティをかいくぐってやってきた女に老人ホームに入居している祖父が危篤だと言われ、無理やり連れていかれた。結果、祖父の狂言だった上に、祖父の作った新素材の手錠を二人にはめられ、外してほしかったら祖父の出す謎を解くように言われ・・・?

ネタバレあり感想

繋がれものです(そんなジャンルない)。
漫画だとよくありそうですけど、私はTL小説では初めて読みました。

ヒロイン・胡桃は高級老人ホームの介護士をしていて、色々大変なこともあるけど、仕事に誇りを持っています。祖母の死に目に会えなかった後悔から、ヒーロー・慧の祖父の危篤を知らせに行き、無理やり施設まで連れてきます。
「祖父はいつもそうやって嘘をついて家族を振り回すんだ」と話す慧の言う通り、実際連れてきてみたら祖父はぴんぴんしていましたが、「嘘をついてでも家族に来てほしかった寂しさをなんで分かってあげないんだ!」と逆に怒ります。
そんな胡桃を「天晴!」と気に入った祖父に新開発の金属で出来た手錠で二人は繋がれてしまいます。

愛を知らずに跡取りとして育った慧は、感情を殺した完璧な仕事振りから「覇王」と呼ばれ、女性にも深入りせずに来ていたのですが、胡桃に対しては調子が狂ってしまいます。
初対面の嫌がらせの手段に取ったキスが思いがけず気持ちよく、そのキスや態度のせいで嫌われてしまっているのに、ふとした無防備な様子に心動かされまくりで胡桃を突き放せません。

胡桃は胡桃で、初対面ですごい嫌なやつと思ったのに、ずっと繋がれて生活してみると案外悪いやつじゃなくて、優しかったりもするし、色気もあってドキドキして、徐々に恋に落ちていきます。

そんな二人の視点が交互に出てくるような構成なんですが・・・
ヒーローがヒロインにべた惚れで、でも上手く伝わらなくて焦れ焦れしているのが大好物な私としては、慧が生殺しでギンギンさせてるところとか、非常に楽しかったです(鬼)
そんな慧に読者に代わってツッコミ入れてくれる有能秘書さんも居て、一緒になってニヤニヤしてしまいました。

慧が「この女は自分にとって特別だ」と腹をくくるのが早くて好感が持てました。
そして覚悟を決めたらガンガングイグイ押しまくるので、逆に「なんで胡桃はそんな自虐な勘違いできるのかね」って感じでしたけど、そんなすれ違いも美味しいスパイスで、熱く率直に想いを伝える慧の良さが引き立ってました。

祖父が手錠の謎に込めた秘密も意外な展開でした。正直、手錠をはめるための口実で、そこまで想いがこもってるとおもってませんでした。

Hシーンが結構あるんですけど、どのシーンも濃密で、イメージにあったイラストがたくさんあってそこもまた良きです。

愛を知った覇王の押せ押せ模様をどうぞお楽しみください!

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