著者 :石田 累
イラストレーター:篁 ふみ
レーベル :オパール文庫
出版社 :プランタン出版
出版年月 :2016年8月
ジャンル :TL、エリート社長物(?)
ヒーロータイプ:起業した若手社長、ストーカー気質
ヒロインタイプ:元お嬢様、今は仕事一筋
Hシーン :有り
あらすじ
オフィス家具を扱う中小企業で働く祐未(ゆみ)は営業成績社内でトップの社畜だが、最近、取引先を立て続けに新しい会社に奪われている。狙ったような行動を不審に思っているところへ、社長から合併先の社長とのお見合いを頼まれたが、相手はかつて祐未がこっぴどく侮辱した結婚候補で・・・?
ネタバレあり感想
Amazonのレビュー欄で「タイトルが間違っているのでは?」との指摘がありましたが、確かにそのとおり。
「お見合いから溺愛」ではなく「(執着系)溺愛からお見合い」の間違いですね。(断言)
ヒロイン・祐未は、かつては大手企業の社長令嬢で、コネで入社し、名ばかり秘書として、仕事をせずにファッションにかまけているような女性でした。
その頃、社長である父から結婚候補として紹介されたのが深見でした。
顔だちも整っていて、笑顔を絶やさず、仕事もできる男でしたが、学歴や家柄、財産を重視していた祐未には受け入れられず、育ちを侮辱するような言葉を投げつけました。
あげくに当てつけのようにメガバンク勤務の家柄の良い男と婚約。
そうこうしているうちに祐未の父が失脚し、祐未はお嬢様から転落するのでした。
全てを無くし、自分が重視していたものの儚さを知った祐未は、己自身の力をつけないといけないと思い、叔父の紹介で入った会社で仕事に邁進します。
そんな彼女に5年前の過去が再びふりかかってくる、というストーリーです。
かつて見向きもせず、蔑んだ態度を取っていた男が、自社より力の強い合併先の社長として現れ、お見合いを申し込んできたため、祐未は「復讐や嫌がらせに違いない」と感じます。
そして、過去のことは謝るれども結婚は断るつもりでお見合いに臨みます。
再会した深見はかつての親しみやすさや野暮ったさが無くなり、冷たい表情で立派な身なりの別人になっていました。
そして2人になった後、あることを理由に深見から脅迫されることになります。
そのあとはひたすら深見に振り回される祐未。
でも彼に惹かれる部分もあり、自分の心にも振り回されます。
祐未の仕事への嫌がらせは深見の指示なのか?
彼はなぜかつての会社を辞めたのか?
ネタバレアリとは言え、語り過ぎませんが、色んな謎や不審な点が出てきます。
クズ男は深見一人じゃない。
クズ男達の祐未を巡るアツイ戦いが今始まる・・・って感じです。
結局のところ、深見はかつて好きだった祐未のことが忘れられず、祐未がかつて理想の結婚相手として挙げていたような男になって登場することで見返してやろうと思っていたのに、会ってみたら執着心が燃え盛ってしまったわけです。
執着と嫉妬心が凄すぎて空回りしてドクズなこともします。
でも最終的には彼の粘り勝ち?
祐未を巡るドクズ男の戦いに勝利します。
祐未も自分の気持ちに素直になって深見を好きな自分を認めてハッピーエンドでめでたし、めでたし。
ドクズ男の戦いはなかなかに胸糞悪いですが、気持ちが通じ合ってからは甘々で良かったです。