著者 :佐木 ささめ
イラストレーター:城之内 寧々
レーベル :オパール文庫
出版社 :プランタン出版
出版年月 :2017年3月
ジャンル :TL、御曹司物
ヒーロータイプ:エリート系御曹司、女性の好みにうるさい
ヒロインタイプ:家庭環境により諦めが身についている、頭は良い
Hシーン :有り
あらすじ
美哉(みや)は特許技術を持つ町工場の長女として生まれたが、男尊女卑思考の強い両親から搾取されて育ってきた。会社のために評判の悪い相手とお見合いをしろと言われ、そのお見合い相手には「処女を捨ててこい」と言われる。後が無い美哉はホテルのラウンジで会った行きずりの相手とベッドを共にするが・・・?
ネタバレあり感想
よくある「家のためにお見合い」なんですが、お見合い相手がヒーローではなく、お見合い相手が「処女を捨ててこい」とのたまったので、仕方なく声をかけた相手がヒーローというところがちょっと異色ですね。
それよりも、その前後の美哉の両親がひどすぎて、朝の電車で読み始めて気分が悪くなりました。
こういう強制お見合いモノは大抵ヒロインの扱いが酷いですが、娘を搾取することしか考えてない父母が頭おかしすぎて。
弟がマトモなところが救いですかね。
背水の美哉はホテルのラウンジで出会ったイケメンに処女をもらって欲しいと頼むわけですが、イケメンが興味を持って相手をしてくれることになります。
身なりもよくセレブ感のある彼は、ベッドの上で最高のひと時を味あわせてくれます。
目覚めたときには姿がなく、年齢も住んでるところも何も知らない、もう会えない人を想い、この想い出を大事にしようと泣きます。
しかし、イケメンであるところの神羽(ジンバ)は、夢うつつで美哉が語った状況を気にかけ、裏で手を回して美哉の実家の工場を助け、高卒の美哉を大学に通わせつつ自分の会社に就職させ、さらには自分の家に住まわせることにします。
そのくらい自分の好みドンピシャな美哉が気に入ったということなんですが、美哉は、「高校生の頃、全国模試1位を数回取った自分の頭脳を青田買いして、さらには辞める家政婦さんの代わり&夜のお相手なんだな」と解釈します。
「これだけ色々やってるから自分の気持ちはわかってるだろう」と思う男と「私は利点があるから手元に置かれてる今だけの相手」と思う女の気持ちのすれ違いはありつつ、表面上はラブラブしてます。
身体の相性もばっちりです。
最終的には大事件が起こって気持ちを確かめ合ってハッピーエンドなんですけど、ネタバレありなので書きますが、前半の家庭環境について、東京に来てから一切出てこなかったですね。
ヒロインの過去の捨てっぷりがすごいなーと思ってしまった。
きっと実家がちょっかい出してきてドロドロしてくるかと思ってましたが神羽がシャットアウトしてるんでしょうね。
神羽にも神羽の周りの人間にも大事にされまくってるので、ちょっと美哉が羨ましくなってしまうほどです。
ほんとに激愛包囲網って感じで、タイトルに偽りなしですね。
虐げられてたヒロインのシンデレラストーリーが好きな方にオススメです。