ヤンデレ魔法使いは石像の乙女しか愛せない 魔女は愛弟子の熱い口づけでとける (クレイン、ウエハラ蜂、蜜猫文庫)

TL小説

著者      :クレイン
イラストレーター:ウエハラ蜂
レーベル    :蜜猫文庫
出版社     :竹書房 
出版年月    :2021年2月

ジャンル   :TL、ファンタジー
ヒーロータイプ:強大な力を持つ傲慢な魔法使い
ヒロインタイプ:とことんお人よしな国家魔術師、力は弱いが地の精霊に愛されている
Hシーン   :有り

あらすじ

駆け出しの国家魔術師・ララは、ある日、お世話になっている魔術師から一人の少年を弟子として託される。彼はその身に強大な魔力を持ち、家族に虐げられた結果、山一つ吹っ飛ばす暴走をして捕らえられたのだった。皆が彼を化け物扱いする中、放っておけないララは彼を大事に育てていたが、ある日、派遣先で巨大な竜と遭遇し・・・?

ネタバレあり感想

めっちゃエエ話です。ぜひ読んでください。(完)

これで終わっていいくらいですが、蛇足ニョロニョロします。

あらすじに書いた通り、新米魔術師だったララは、幼い自分を助けてくれた先輩上司から化け物と恐れられている少年を弟子として託されました。
元々子供好きで、自分自身も虐げられた過去のあるララは8歳の痩せっぽちな少年アリステアを放っておけずに親身に世話します。
アリステアは人間不信で傲慢な面があり、色々軋轢を生んでララが周囲に頭を下げることも多かったけれど、怒ることの苦手なララは困った顔をするだけで「私の可愛いアリス」と呼んで大事にします。
アリステアはそんなララを次第に女性として意識するのですが、物語冒頭時点で彼は12歳、ララは24歳。
求婚を口にしても「私は30歳以上の年上の男性が好きなの」と言って相手にされません。

そんな時、二人が仕事で向かった先で、予想外の竜に遭遇します。
いくら強大な力を持つとはいえ、まだ魔力が制御できないアリステアは負傷し、彼を助けるためにララは囮になります。
そして竜に喰われてしまうのですが、ララは土の精霊に愛されているため、自分を石化して竜の腹の中で眠りにつきます。

そして目覚めたらそこは20年後の世界。

そう、アリステアは32歳になり、ララは24歳のまま。

年齢逆転!うひょー。
コールドスリープとか色々年齢逆転の道具はありますが、石化って面白いな、と思いました。

しかも、石像になったララを見つけたアリステアは、石像をそれはそれは大事にだーいじにしていたのです。
「石像しか愛せない」と噂されるほどに。

ほらほら、もうなんか面白要素いっぱいじゃないですか?

年齢の逆転したアリステアの猛攻もすごいですが、その裏にある、いつ元に戻るのかわからないララをずっと待ち続けたアリステアの切なさも胸にグッとくるんですよ。
最後の方のシーンはウルっときました。

とにかくぜひぜひ読んでみてください。
自分たちの主人は石像しか愛せないと思って諦めつつ、でも主人を尊敬してる家令や召使のみなさんの優しさも好きです(笑)

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