美女と野獣の絶倫新婚生活 (月神サキ,駒田ハチ,ティアラ文庫)

TL小説

著者      :月神サキ
イラストレーター:駒田ハチ
レーベル    :ティアラ文庫
出版社     :フランス書院
出版年月    :2019年7月

ジャンル   :TL、ファンタジー
ヒーロータイプ:物語から出てきたような理想的な王子様。ヒロインに一途。
ヒロインタイプ:第一王女で幼い頃から隣国のヒーローと婚約している。純真で努力家。
Hシーン   : 有り

あらすじ

リヨン王国の第一王女、イザベラは幼い頃に顔を合わせた隣国の第一皇子ディルと一目で恋に落ち、婚約している。あと1年ほどで結婚できることになった頃、突然、ディルが魔女に呪いをかけられ、野獣になってしまったとの知らせが。それでも結婚の約束を履行して前倒しで隣国に来て欲しいとの要請にイザベラは「野獣になっても彼を愛している」と隣国へ赴くが・・・?

ネタバレあり感想

最近、Amazonが「転生モノ」ばかり勧めてくるので、いくつか読んでいたのですが、私は「転生モノ」ってあんまり刺さらないんですよね・・・
中には面白いものもあるかとは思うのですが。
なんて、しょっぱなから愚痴ってしまいましたが、こちらの作品はそういうややこしい設定がなく、登場人物も少ないので(ヒーローとヒロインが9割)、気軽な気持ちでいちゃラブ(というにはヒロインが過酷?)が楽しめます。

ヒロインのイザベラとヒーローのディルは、ディルが10歳くらい、イザベラが8歳のときに出会い、互いに恋に落ち、ディルの希望によりすぐさま婚約します。
イザベラから見てディルは物語から出てきた王子様のようで、あまりにも理想的な姿に、自分も並んで恥ずかしくないようになろう、とイザベラは婚約期間も努力して素敵なお姫様になります。

結婚が近づいてきたある日、イザベラの元にディルが魔女に呪いをかけられた、との知らせが。
舞踏会でディルを気に入った魔女が声をかけたところ、イザベラに一途なディルに振られ、腹いせに野獣になる呪いをかけた、とのこと。
ディルはそれ以来、部屋に閉じこもっているが、婚約の履行を求めてイザベラを呼んでいると。
イザベラの父である国王は「野獣に娘をやりたくない」と引き留めますが、イザベラは「ディルは私のために呪いをかけられた。彼が野獣になっても私は一途に愛します」と隣国へ行くことを決意します。

タイトルからお察しかと思いますが、「野獣」=「絶倫」なんですよね。

今までお手紙のやりとりをして、時々会って「アハハ、ウフフ」の清らかなお付き合いしかしておらず、温室育ちのイザベラはディルの元に案内されてご対面するわけですが、「野獣」=「絶倫」なんですよ。(何度も言うな)

ネタバレ有り感想とはいえ、あんまり詳しく書くと読むときの楽しみが減ってしまうので、曖昧に書きますが、ウブで処女のイザベラは突如絶倫生活に放り込まれます。
ほんと放り込まれると言っても過言ではない。
しかも軟禁生活。
ディルへの一途な愛ゆえに頑張るものの、相手は野獣。
セックス以外しない生活に疲れてしまいます。

周りに助けを求めても、女官や兵士たちもなぜか味方になってくれない。
何か隠されている予感にイザベラの不満が爆発します。

そこでディルの口から呪いに隠されたもう一つの秘密を教えてもらったことで、イザベラは呪いに前向きに取り組むことになります。
そしてとうとう野獣の呪いが解けるのですが、呪いが解けたはずなのに不可解なことが・・・笑
「理想的な王子様」も大変ですね。

イザベラが健気で可愛いので、絶え間ない性生活に疲弊している様子はちょっと可哀想になってきます。
しかもディルがイザベラが「休ませて」とか「セックス以外のことをしたい」とかお願いしても、あれこれ口で言い負かしたり、イザベラの罪悪感を誘ったりして聞いてくれない。
ヤツが「イザベラしか勝たん」のスーパー一途じゃなければ許さんところです。
幸い、怖いくらいにイザベラしか見えていないんですけど、まぁ、でもやっぱり絶倫の性欲は身勝手じゃのぅ・・・とは思います。

イザベラはヤられっぱなしではありますが、気弱ではないので、心の中で、時にはディルに直接でも冷静な突っ込みを入れていて、そのあたりがラブコメみがあって、物語が暗くなくて済みます。

タイトルに偽りなしでベッドシーン多いですが、色んなシチュエーションで楽しめます。
ヒーローは野獣(比喩)ではありますが、互いに一途な愛に溢れていて、読んでいて幸せな気持ちになれるのでオススメです!

タイトルとURLをコピーしました