極上の愛撫に啼かされて~豹変した彼の溺愛に囚われる~ (沢渡奈々子,北沢きょう,濃蜜ラブルージュ) 

TL小説

著者      :沢渡奈々子
イラストレーター:北沢きょう
レーベル    :濃蜜ラブルージュ
出版社     :パラダイム
出版年月    :2022年8月

ジャンル   :TL、現代物
ヒーロータイプ:元劇団員、現在は会社員のイケメン。30歳。
ヒロインタイプ:27歳事務職。観劇好き。
Hシーン   : 有り

あらすじ

美帆は1年ほど付き合っていた男に二股をかけられて振られたばかり。しかも浮気かと思ったら、自分の方が浮気だった。落ち込みながら参加した忘年会で同じお店に来ていた将紀と出会う。イケメンなのに物腰が柔らかい彼と意気投合し付き合うことになったが、彼には意外な性癖があって・・・?

ネタバレあり感想

よくAm○zonのTL小説の商品レビューで「ヤッてるだけの小説でした」みたいな星低めの感想がありますが、「え、そういうの求めてないの??」と思う私です。こんにちは、或るいはこんばんは。

とはいえ、「登場人物の成長」とか「壮大な歴史物語」とか「息をもつかせぬ展開」など、恋愛小説にもテーマ性を求める方もいるのでしょう。
それに、生々しいベッドシーンは苦手な方もいるのであろう、とは理解できるので、当ブログでは冒頭の情報にHシーンの有無を書いております。
私は執着とか溺愛とか嫉妬とか、そういう感情でキュンキュンできればHシーン無くても満足できると言えばできるのですが、有るのかと勝手に期待してて朝チュンだったり、急に後日談になって子ども産まれてたりすると「無いんかーい!そういうレーベルなの!?」となるので、その辺の情報、非常に大事だと思います。

こちらの小説は有ります。
作者様があとがきで書いているので書きますが、計4回あります。
こちらのレーベルは表紙のイラストからして肌色面積多くて手に取るのにためらうんですが、他のタイトル名見てもエロに全振りしてて清々しいですね。

また「ヤってるだけ」の話に戻るんですが、1つの小説の中で、「ヤッてるだけ」と言わせるだけの回数、パターンを変えてHシーンを書けるのって逆にすごいと思って私は尊敬します。
しかも作者はそれ1作で終わりじゃなくて、他に何冊も書くわけだからマンネリしないようにされてるでしょうし。

前置き長くなりましたが、この小説読んでHシーンが多かったので、「人によってはそういう感想になるのかなー」と勝手に思ったんですが、私自身は満足でした。

「あらすじ」で書いたように、ヒーローの将紀には意外な性癖があって、それはシチュエーションプレイが好き、ということ。
元劇団員だった彼は、役が乗り移ったように演技が出来る才能があったのですが、ある時、終幕後の興奮が収まらず、役が憑依したままセックスしてみたら、今までに無い快感が味わえ、虜になってしまいました。
しかし、過去の恋人は1度ならともなく、何度となくそれを求める彼に嫌気が差して去って行きます。

もうこの性癖は封印しようと思っていた矢先に出会ったのがヒロインの美帆。
趣味が合い、イケメンである将紀に媚びてこず、性格も穏やかで優しい美帆が好きになり、美帆も彼に好意を持っていたので2人は付き合うようになります。

将紀は素でも十分に美帆をベッドで満足させられます。
でも仲が深まるほどに、首をもたげてくるシチュエーションプレイの願望。
美帆とシチュエーションプレイしたい、美帆に受け入れて欲しいと正直に告白します。

てなわけで、Hシーン4回のうち、3回はシチュエーションプレイなのです。

これが良い。
4回目は若干「その年齢で・・・まぁ、2人の世界ですから2人が良いなら・・・」と思わなくもなかったですがシチュエーション的にはどれも私も大好きなシチュエーションでした。
強いて言うなら2回目の後輩攻めが一番良かったかな!

そんなわけで、一つの小説なのに4つの味が楽しめる、みたいなお得で美味しい小説なのです。
2人の性格が素直で誠実で、元彼以外は波風も無いので、心穏やかに楽しめます。
オススメです!

タイトルとURLをコピーしました