著者 :犬咲
イラストレーター:鈴ノ助
レーベル :フェアリーキス
出版社 :Jパブリッシング
出版年月 :2021年11月
ジャンル :TL、ファンタジー
ヒーロータイプ:王国が誇る騎士団の団長。精悍で凜々しい容姿で誇り高く清廉潔白な人柄。
ヒロインタイプ:伯爵家の令嬢だが、魔力があり、魔術師団に入り団長補佐をしている。大らかで物に釣られやすい。
Hシーン : 有り
あらすじ
クラリッサは魔法術師団の団長補佐。ある日、魔法術師団長から騎士団長のセオドアが精神退行魔術をかけられ、9歳のままになっているので戻るまでの10日程度世話をするように頼まれる。外見は29歳の美丈夫と地下室で2人きりの生活。初めは単純に世話をするだけと思っていたクラリッサだが…?
ネタバレあり感想
再読です。
星5をつけていたのになぜ記事にしなかったんだろ。
続編(というかスピンオフ)が出ていることに気がつき、続編を読む前に読み返しました。
やっぱりええ話や~!
クラリッサは魔術師団長特製の高級魔法道具に釣られて、精神が子どもに戻ってしまった騎士団長セオドアの世話をすることになります。
外部には秘密なので地下の貴賓室で2人きりの生活。
今まで仕事上の接点しかなかったけど、まぁ、世話をするだけだしいいか、という感じであまり細かいことは考えない大らかなクラリッサはセオドアと対面します。
しかし、そして地下室で改めて「初めまして」をした9歳に戻ってしまったセオドアは、その精神年齢に見合わない、手がかからない甘えを知らない少年でした。
なんだか胸が締め付けられたクラリッサは10日経って魔術が溶ければ忘れてしまうのだから、今だけとことん甘やかしてあげようと決意します。
まぁ、そんな訳でクラリッサはセオドアが幼い頃できなかった沢山のことを一緒にして、楽しい時間を過ごすのですが、こんな優しくされたら9歳の少年でもクラリッサに恋をしてしまいますよね…
そして彼のトラウマ、彼の恋心、色々あって2人の間に緊迫した事件が起こります。
クラリッサは動揺しながらも、セオドアを否定することなく、ありのままに受け入れて、そして2人は10日目を迎えます…
ここから感想ですが、この10日間だけでも凄く濃くて、切なさとドギマギを感じるのですが、この時点で話の半分なのです。
10日経ち、術が解けた後のセオドアの妄執が後半の見どころ。
あぁ、ネタバレあり感想とはいえ、あまり書くと読む楽しみが無くなってしまうので是非読んで欲しい。
引け腰ヒロインに追いすがるヒーロー。
追いすがると言っても、物理的には止められているので、トンチキな方向で一途に努力してます。
この時期について執事の視点で描かれた番外編が面白いです。
「真面目な男が恋をすると怖い」みたいなやつを体現してるようなヒーローですね。
といっても狂気じゃなくて純粋で真面目ゆえの微笑ましい可笑しさです。
孤独だった彼がクラリッサと出会えて良かったね、とホッコリできます。
貪欲な彼とのHシーンもしっかりありますので、甘々の溺愛(というよりやっぱり妄執のイメージなんだよなぁ)好きの方にオススメです!