冷血な侯爵と偽りの婚約者 (火崎勇,DUO BRAND.,ガブリエラ文庫)  

TL小説

著者      :火崎勇
イラストレーター:DUO BRAND.
レーベル    :ガブリエラ文庫
出版社     :メディアソフト
出版年月    :2018年12月

ジャンル   :TL、ファンタジー
ヒーロータイプ:侯爵。黒髪、黒い瞳、きりっとした顔立ちで態度は尊大。
ヒロインタイプ:伯爵家の令嬢。家族思いで慎ましやかだが、いざとなると気が強い。
Hシーン   : 有り

あらすじ

伯爵家の令嬢レオーナは実家の窮状を見かねて、身元を偽って働きに出ることにする。家庭教師をするつもりだったが、仲介してくれた夫人から「あなたにピッタリの仕事がある」と連れて行かれた先はオーガス侯爵の屋敷。しかも仕事の内容は彼の偽りの婚約者を演じることで・・・

ネタバレあり感想

久しぶりの更新になってしまいました。この間も結構な数、TL小説を読んでたんですが、なかなか感想を書きたいと思える作品に出会えなくて。

さて、こちらの作品、すごく王道のラブストーリーでドキドキしつつも安心感がありました。
心に鎧をまとったヒーローとそれをほどいていくヒロイン。
ヒロイン・レオーラが伯爵令嬢とはいえナヨナヨした女の子ではなく、かといってただの礼儀知らずのポジティブガールでもない。
伯爵令嬢として育った誇りと慎ましさを持ちながら、「働くのであればきちんとお給料に見合った働きをしたいです」と思う職業婦人としての覚悟がある。
ヒーローであるオーガス侯爵デミオンに対しても「なんて失礼な人なのかしら」と思いながらも、それで仕事を放棄したり、闇雲に突っかかるのではなく、「こうこうこういうことで困るから改めて欲しい」ときちんと説明できる頭の良さと冷静さがあります。

対するデミオンは、侯爵になるまでの経緯から人間不信になっています。
レオーラに対しても「本当の婚約者になれるなんて思うな」と最初から防御を張りまくってます。
レオーラと親しくならないように極力会話をしないので、レオーナは「2人のなれ初めとかの設定を決めないでどうやって婚約者を演じたらいいの!」と困り果てます。
結局は彼女の頭の良さや度胸でなんとかなるんですが。

レオーナは「伯爵令嬢が働きに出ているなんて体面が悪いから」と身元を偽ってデミオンのところに来ているので、身元がバレないようにヒヤヒヤしているのも物語のスパイスですね。

しかし、ある事件から二人のそれぞれの事情がわかって、互いに隠すものがなくなり心の距離がぐっと縮まります。
冷たい無表情な仮面に隠されたデミオンの本当の姿を知り、レオーナは心惹かれていきます。
それでもレオーナは偽りの婚約者で、たんなるお仕事。
彼を好きになってしまったら「おまえも侯爵家の財産目当てなのか」と軽蔑されてしまうかもしれない。
それなら心を隠してそばにいられれば良い。

そう決意していたレオーナでしたが、オーガス侯爵家を狙う親戚たちの策略をきっかけに気持ちを隠せなくなります。
レオーナの気持ちを受け取ったデミオンがどう応えるのか。
偽りから始まった二人の関係にどう決着が付くのか。
ハッピーエンドになると分かっていてもドキドキしました。

しっかりした筋立ての王道ラブストーリー、オススメです!

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