著者 :香月しを
イラストレーター:Katsutake
レーベル :ミーティアノベルス
出版社 :ミーティアノベルス
出版年月 :2023年7月
ジャンル:TL、ファンタジー
ヒーロー:ヒロインの4つ年上の義兄。伯爵家の一人息子。ツンデレ。
ヒロイン:空気が読める大人びた少女。売られた喧嘩は買う流儀。
Hシーン: 無し
あらすじ
「空気の読める女になりなさい」と祖母に言われて育った子爵家の長女チェルシーは、祖母と両親を相次いで無くし天涯孤独になり、さらには見知らぬ親戚を名乗る一家に屋敷を乗っ取られ追い出されてしまう。その後本物の遠縁の伯爵家に引き取られることになったが、その家にはツンツン思春期の義兄がいて・・・?
ネタバレあり感想
私は「お義兄様もの」が好きなのでタイトルを見て速攻読みました。
自称(というと怒られそうですが)「空気の読める」ヒロイン、チェルシーのお話です。
「空気の読める女になりなさい」というのがチェルシーの祖母の教え。
チェルシーは子爵家の令嬢でしたが、頼りになる一族のドン的な祖母が亡くなったあと、両親も不慮の事故で亡くなり、天涯孤独に。
そこへ遠縁を名乗る一家が乗り込んできて、チェルシーは追い出されるとともに、名前まで奪われてしまいます。
空気の読めるチェルシーは、ここは撤退すべきと護衛だけを連れて屋敷を出て、祖母の建てた孤児院へ。
そこで孤児院のボス「大将」に目をつけられて因縁をつけられるものの、「空気を読むのがわたくしの信条、貴方達が私に喧嘩を売るというのなら・・・買ってさしあげますわ!」と殴り合いを始める血の気の多さ。
不幸に見舞われても、自分の不幸に溺れないヒロインなのです。
拳で語り合って数日孤児院で過ごしていましたが、そこへ本物の遠い親戚の伯爵家が迎えに来ます。
人の良さそうな夫妻に連れられて屋敷に向かうとそこには伯爵家の一人息子ブラッドリーが。
急に「妹が出来た」と聞かされても、十代半ばの彼は素直に受け入れられません。
思春期特有のツンツンを発揮します。
しかし、このブラッドリー、特殊能力を持っていまして、傷を治すことが出来るんですよ。
合ったときから顔面に殴られた跡(←拳で語り合ったせい)があったりと、しょっちゅうケガをしている義理の妹を放っておくことができない、心優しい人なのです。
ツンツンしているくせに治療はしてくれる。
最初のウチは「兄」と呼ばせなかったり、「妹!」と呼んでたりしたのに、徐々に「兄と呼んで良い」ってなっていくところが「この~っ!ツンデレ!」ですよね。
チェルシーも大人びて「空気が読める」と豪語しているわりに、ブラッドリーとの距離感はおかしいんですよね。
ブラッドリーの特殊能力がほんと特殊な感じなので・・・そりゃ距離感バグるかもなぁ。
(最初読んだ時「うわ、そういう能力か」と思ったのでここはネタバレ無しで。)
一つ屋根の下、ポンポンと言い合う義理の兄と妹、ツンデレだったはずの兄がいつしかツンが少なくなっていって、チェルシーもなんだかブラッドリーを意識し始めて・・・
もどかしい感じでむずキュンです。
後は、初手の方に出てくる乗っ取り一家がストーリーに絡んでくるのですが、きちんと「ざまぁ」な展開が待っているので、その辺はスッキリです。
チェルシーと「大将」などの個性豊かなキャラのツッコミ溢れる会話を楽しみつつ、チェルシーとブラッドリーの進展にニヤニヤキュンキュンするストーリー、オススメです!
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