著者 ：しき
イラストレーター：加々見絵里
レーベル ：フェアリーキス
出版社 ：ジュリアンパブリッシング
出版年月 ：２０２０年４月（Kindle版）
ジャンル ：TL、ファンタジー
ヒーロータイプ：ドＳ系 宰相タイプ（王太子殿下の側近）
ヒロインタイプ：真面目で人づきあいに不器用
Hシーン ：なし
あらすじ：
国の財務部で働くアスリアは冷血無慈悲の「氷の女」と呼ばれている。真面目に手を抜くことなく仕事を頑張っていたら「融通の利かない冷たく厳しい女」と周りに認識されるようになってしまった。末端貴族とはいえ、長女として幼馴染と結婚して継ぐのかと思っていたら、いつの間にか妹が幼馴染と結婚することになっており、アスリアは自分で相手を探すように親から言われてしまう。職場での自分を知らない人達が集まる婚活パーティーなら良い出会いがあるのでは、と期待をかけて出かけていったところ、なぜか王太子殿下の側近のリヤルテ様が参加していた。しかも知り合いでもないのに絡んできて、アスリアの秘密をばらそうとして・・・
＜ネタバレあり感想＞
アスリアは真面目に働いてるだけなのに、仕事しないやつらから仕事を押し付けられたり、書類の訂正を拒否されたり、陰口を叩かれたり散々な目にあっています。
しかもアスリアの家系の特殊な能力のせいもあって、アスリアは感情的にならないように小さなころから気を付けているので「無表情で不愛想、怖い」と思われていますが、本当は普通に傷つきやすい泣き虫で、いつも昼休みに図書館裏の木陰で一人でこっそり泣いています。
仕事を頑張ってはいるものの、結婚願望はあるので婚活パーティーに行くのですが、そこになぜか王太子殿下の側近として有名なリヤルテが参加しています。
こちらは知っているが、向こうは自分を知らないはず、と知らん顔をするつもりが、なぜか向こうから近寄ってきて親しげに振舞われて、良い感じになっていた男性との仲を邪魔されたり、バラされたくない職場でのアスリアの話をされたりします。
それもこれも本性がドＳのリヤルテが「実はアスリアの泣き顔が萌える」という情報を入手して興味を持ち、人前では弱さを見せない彼女が自分の前でだけ泣く姿を見てみたいとわざわざ獲物を狩りにきていたのです。
まぁ、そんな感じでロックオンされたアスリアがリヤルテにちょっかいかけまくられて、意地悪ではあるんだけど、でも本当に嫌なことはしてこなくて、ひとりぼっちだった自分の隣にいてくれることにだんだんほだされて、彼のことを好きになっていきます。
リヤルテもアスリアにしか興味なくて、意地悪言ったり、恥ずかしがらせたりしつつも恋人として大事にしてくれます。
家族の問題とかもありつつ、ハッピーエンドなんですけど・・・
全体的には「アスリアちゃん、変わった彼氏だけど良い人見つかってよかったね」なんですけど、
まあ、タイトルから期待してたほどにはドＳ様ではなかったかな、と。
なんかもっとキレッキレのドＳを期待してたというか・・・
痛い系とかグロいのは好きじゃないのでそういう意味じゃなくて、際どいセリフとか行為がきて、アスリアちゃんが恥ずかしさに泣いちゃったら、こっちが身悶えしちゃいそう、と鼻血を出す準備をしていたのに、「あれ？清純なまま終わりですか？」と肩透かしをくらった感があります。
まぁ、このレーベルだからそういうのは無いのかもしれないですね。
そういう描写無しでも全然ＯＫであれば十分楽しめると思います。