著者 :沢渡奈々子
イラストレーター:龍胡伯
レーベル :夢中文庫クリスタル
出版社 :夢中文庫
出版年月 :2020年8月
ジャンル :TL、御曹司物
ヒーロータイプ:腹黒系一途御曹司
ヒロインタイプ:ややおっとり系、真面目で純粋
Hシーン :やや有り
あらすじ:
灯里は19歳の大学生。元々は華族の家柄だが、今はサラリーマン家庭の一般庶民。お向かいのお屋敷に住む礼とは幼なじみだが、向こうは大企業の御曹司。それでも小さい頃から一緒に過ごしてきてとても懐かれている。イケメンセレブなのにワンコのように甘えてくる礼を弟のように思っていたが、20歳の誕生日に突然プロポーズされ、礼が豹変して・・・
<ネタバレあり感想>
腹黒系ウラオモテありの執着男子キター!
少女漫画ではよくある設定なんですけど、久しぶりにTL小説で読んだので「オラ、ワクワクすっぞ!」となりました。
大体19歳にもなって「灯里ちゃーん」と甘えてくる大学生がいるか!?って感じなんですが、灯里は小さい頃から面倒を見ているので「礼ったら、手のかかる残念なイケメンなのよね」と思いながら世話を焼いています。
でもそれは礼の計算の姿で、二人の20歳の誕生日、両家のお祝いの席で突然プロポーズされ、ワンコの仮面を外した強引な王子様に豹変します。
家族ぐるみでのお付き合いではあるけど、それだけに礼の家のすごさや大変さを知っているので自分には絶対無理だと断る灯里に、今までワンコのフリをしていたのは出来ない子のフリをして代わりに灯里に教えてもらうことで灯里に一流教育を身に着けさせるためだったと知り、灯里は激怒。
怒りながらも、礼の変化にとまどう灯里。
実は灯里が流されやすいことを知ってる礼はグイグイ迫ってきます。
途中、大きな事件もあったりして、意外とお話は長いんですけど、防戦一方の灯里とぜったい逃さない礼の攻防や、それを見守る周囲の人たちの反応が面白いので飽きさせないです。
互いの弟妹たちが礼の本性知っていながら黙らされてて、「よくやるわ」と思ってるのとか、そういう「知らないのはヒロインだけ」みたいな設定が好きなんですよね~。
合間に礼サイドの視点もあるので、礼の一途な想いも読めます。
それはそれで読んでてキュンキュンするのでいいんですが、一読者としては礼視点は最後のお楽しみでも良かったかなぁ、と思います。
(話の展開的に難しいかもしれないけど)
その方が、腹黒が何考えてるのかわからないけどグイグイ来られてる焦りみたいなものをヒロインと一緒に味わうことができてドキドキ感が増すかなー、と。
でもお話的には大満足です。
結局のところ、礼ってハジメテだったのかなぁ?
私としてはハジメテであってほしいなぁ。
他の女で練習とか萎えるから大事に取っておいてほしい派です。