宮廷魔術師は妻を溺愛する~美しい容れ物のなかで交わる、わたしと私の身勝手な愛~ (安 史妃子,らま,アマゾナイトノベルズ)      

TL小説

著者      :安 史妃子
イラストレーター:らま
レーベル    :アマゾナイトノベルズ
出版社     :アマゾナイトノベルズ
出版年月    :2020年9月

ジャンル:TL、ファンタジー
ヒーロー:元は平民の孤児。魔術の才能を見いだされて宮廷魔術師となる。怜悧な美貌で寡黙。
ヒロイン:元は日本人。平凡な見た目だったが、死んで目が覚めると完璧な見た目の女性に。
Hシーン: 有り

あらすじ

事故死したはずのわたしが目覚めると、なぜか異世界の美しい貴族女性になっていた。わたしには夫がいて、彼は私を人形のように愛で、沢山の贈り物をくれる。不自由の無い暮らしだが、彼が愛しているのはわたしの”かたち”だけ。もし中身が以前と違う「わたし」だと知られたらどうなる・・・?

ネタバレあり感想

何とも言えない不思議な読後感の作品です。
感想がまとまらないですが、この衝動のままに紹介します。

あらすじにもあるように、主人公の「わたし」は、元々日本に住んでいて、事故死します。
目が覚めると、死ぬ前とは段違いに美しい顔と身体を持った女性になっていました。
転生物っぽい始まりです。
普通の転生物と違うのが、どうやらこの女性、自殺未遂で命を取り留めた直後らしいのです。
そして、彼女は結婚しており、宮廷魔術師の夫がいました。
夫は目が覚めた妻(わたし)に刺激的かつ情熱的な口づけをしました。

夫である彼は、毎日「わたし」に靴やドレスなど沢山の贈り物をくれます。
「わたし」がそれを着る姿を愛でます。
「わたし」は屋敷の中で何不自由ない、しかし何もすることがなくどこにも出かけられない暮らしをしています・・・。

なんかこれだけ読むと、「監禁ものか・・・元々の妻が自殺未遂するなんてどんなヤンデレ夫なんだろう」と思いませんか?
やっべー奴じゃない?主人公逃げなくて大丈夫?って思うんですが、「わたし」は彼に惹かれています。
最初の口づけから衝撃を受け、そして愛されているうちに「自分を愛して欲しい」という気持ちが芽生えてきます。
でも、彼が愛している女の中身が違う人間になっていると知られたら、彼に愛されなくなる?と思うと本当のことが言えません。

そしてある日、夫が「本当の君がみたい」と媚薬を取り出します。
「快感に我を忘れたら何を口走るかわからない」と彼女は恐れおののくのですが・・・?

その後、夫視点の「私」のターンになるのですが、途端に見えてくる風景が変わってきます。
「うわー、そういうことか」ってなるので、これはぜひ皆様にも読んで味わって欲しいです。

「わたし」と「私」がそれぞれに思う「身勝手な愛」がどのような結論を迎えるのか。
最後、さらなる第三の視点があるのですが、そこに彼らの出した結論の後日談があって、それも非常に味わい深いです。

ネタバレあり感想ではありますが「これは実際に作品を読んでいただかないことには・・・!」ってことであまり具体的にはかけませんでした。
閨のシーンは濃厚で、両方の視点で楽しめます。
わりと短めの作品なので、気になった方はぜひ!


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