イケメン御曹司は偽の恋人!? 勘違いから始まるウェディング (水島忍,御園えりい ,チュールキス)

TL小説

著者      :水島忍
イラストレーター:御園えりい
レーベル    :チュールキス
出版社     :ジュリアンパブリッシング 
出版年月    :2020年1月

ジャンル   :TL、御曹司物
ヒーロータイプ:建築会社社長、実力派イケメン
ヒロインタイプ:精神的虐待を受けて育ったが心優しく真面目
Hシーン   :やや有り

あらすじ

会社社長の父の元、裕福な家に育った榛花だが、父母は兄二人ばかりを誉め、父は無関心、母にはダメな子扱いをされてきた。大学を出て一人暮らしをすることで自尊心を少し回復してきたが、急に実家に呼び出され、父に政略結婚を勧められる。勝手な言い分にとっさに「結婚を考えている人がいる」と言ってしまい困っていたところ、偶然知り合った会社社長の侑人が偽の恋人役に立候補してきて・・・

ネタバレあり感想

お見合い逃れの偽の恋人話はいろいろありますが、このお話の場合、榛花の実家がとにかく重い。ひどい。
榛花は家族から「お前は何もできない」「何をやらせてもだめ」と言われ続け、頑張って成果を出しても見てもらえず、いつしか親には期待しなくなり、家を出ることで自分の家が異常だったと気づいて距離を置き始めました。
しかし無関心だった父から「どうせ結婚もできないだろうからお見合いをしろ」と言われ、かっとなり「恋人がいる」と言ってしまった榛花。
たまたま公園で具合の悪い老婦人を助けたら、それが会社社長・侑人の母で、侑人と知り合います。
自分にとって条件の良い女性と結婚しようと思っていた侑人にとって、裕福な家に育ち自分の財産目当てでなく、見ず知らずの母を介抱してくれる優しさの持ち主である榛花は、理想的な相手でした。
そのため彼女をお礼の食事に誘い、そこで恋人話を聞いた彼は榛花に恋人役を申し出ます。
デートするうちに侑人に惹かれていく榛花。
実家に連れていくと、相手が会社社長と知り手のひらを返したような対応の父、「なんでもっと早く言わないの」と責める母。
「いつ、結婚するのか、榛花みたいな子はいつ捨てられるかわからないから今のうちに婚約しておきなさい」というようなことまで言われますが侑人は榛花のことを誉めてかばってくれます。
その日の帰り、侑人の部屋で「君の本当の恋人になりたい」と言われ、身体を重ね、プロポーズされ、榛花は幸せな気持ちに。

その後、結婚準備や結婚式と続いていくんですけど、なんかこの辺からずーーーーーーーーっとなんか不穏な感じが漂ってるんですよ。
kindleのページ表記的にもまだ半分だし。
素晴らしい彼と結婚できたはずなのに、なんかこの先あるぞ、あるぞ、みたいな空気が漂ってて、ハネムーンのくだりとかもラブラブのはずなのになんかハラハラして安心できない。

榛花はプロポーズの時に侑人が「この結婚は双方にメリットがある」と言っていたのは覚えていたけど、その後、二人の間にメリットだけじゃない愛が育まれ、愛し合っていると思っていたのに、実は今でも侑人は「条件に合う女性だから結婚した」と思っていることを聞いてしまい、「別に騙されたわけじゃないけど・・・」と大ショックを受けます。

家族の精神的虐待により自分を肯定できない榛花は、自分を誉めてくれていた侑人からも愛がもらえないと思い、悲しみます。
そこから侑人との関係をどのように解決いくかはお話を読んでいただくとして・・・
とにかく実家の家族がひどいので、榛花が最後に彼らと向き合い呪縛を断ち切る様子を見られてスッとしました。

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