潔癖な理系御曹司だと思ったら、夜はケダモノでした。 (槇原まき,アオイ冬子,オパール文庫)

TL小説

著者      :槇原まき
イラストレーター:アオイ冬子
レーベル    :オパール文庫
出版社     :フランス書院
出版年月    :2018年1月

ジャンル   :TL、現代物
ヒーロータイプ:海運会社の副社長。頭脳明晰で誠実な人柄だが堅物。
ヒロインタイプ:お嬢様。おっとりしている。家族思いで真面目。
Hシーン   : 有り

あらすじ

銀行の創始者一族の令嬢・一華は祖父の決めた見合い相手である正と1年間お付き合いしてきたが、今日から結婚前のお試しとして彼と同棲することになっている。妹の二美から「手もつないでないなんて信じられない!結婚する前に相手の性癖を確認しないとだめだ」と強く言われ、彼に自分から「したい」と言わないと、と緊張している。しかし、彼の部屋に行く車中で彼の方から「しませんか」と言われ・・・?

ネタバレあり感想

清く生きてきた二人が、試行錯誤しながら真面目に初めての体験をするお話です。

Amazonの他の方のレビューにもあった気がするんですが、タイトルの「理系」要素はほとんど無いです。ヒーローの正(ただし)は理系というより「神経質で理屈っぽい」感じで、言うならば文系のような・・・。

ヒーローの正は堅物で生きてきましたが、一華という天使(正・談)に一目惚れし、何とか見合いにこぎ着けました。同棲を前に、彼を心配する弟たちから女性との経験がないことを心配され、一華さんを性的に満足させられなかったら離婚の可能性もあると聞いた正は、ネットを駆使して徹底的に勉強し、自主練習を積んで二人の初めてに臨みます。

理屈っぽい正と無垢なお嬢様の一華。始める前に正は正直に自分が経験がないことを伝え、今回に備えて学習したこと、初めて同士の場合にどのように手順を進めていったら良いかをデータを元にタブレットでプレゼンします。一華は戸惑うものの、元々、この1年間で正に好意を持っていて、彼の人柄も理解して尊敬しているので「正さんがこんなに一生懸命に説明してくださっているんだから、わたしもちゃんと聞かないと・・・!」と正座して拝聴します。

こんな感じで至極真面目な二人が内心ドギマギしながらファーストキスからちょっとずつ進めていくんですが、ホントに一手順、一手順確認しながら進めていくので、読んでる方はニヤニヤしたらいいのか、ジレジレしたらいいのか、赤面したらいいのか・・・
でも、正が得た知識を元にじっくり丁寧に一華に前戯をしていくので、一華は初めてなのに高められてトロトロになっていきます。そして初めて同士の二人でも成功!

しかし、ここで正は「もしかして自分、早かったか・・・!?」と思います。これでは一華が満足できなかったかも、と焦った正は「挽回させてください!」と2回目に挑みます。一華は驚いて「抜いてください!」とお願いするものの、身体は反応してしまう。正が「今度こそ長く!」と頑張る間に達して気を失ってしまいます。収まらなかった正は翌朝、起きるなり3回目・・・

満足して出社する正と裏腹に初めての体験に混乱した一華は、実家に戻って妹の二美に泣いて相談します。彼女は正のオスの部分を目にしたり、はじめからあんなに何度もしたことなど諸々でパニックになってしまっただけなのですが、姉想いの妹は激怒して正に「破局だ!」と電話します。

「今日もしていいのかな」なんてのんきに妄想していた正は、二美からの電話で一華を泣かせてしまったことにショックを受け、慌てて仕事帰りに迎えに行き、謝ります。一華も正が嫌いになったわけではないし、朝からヤることも普通と聞いて「自分がショックを受けたのは勘違いだったかも」と思い直して一緒に帰ります。

正は正で斜め上な感じで反省し、「昨日は自分が主体的にやりすぎてしまった。あと、自分の目が怖かったと聞いた」と言って、一華に自分の上に乗るように促してきます。

・・・とまぁ、こんな感じで、初々しい二人が身体を重ねていくわけですが、前提が政略結婚なので一華は「会社の利益のための結婚だけどいつか私のことを本当に愛してくれたらいいな」と思っているし、正は「一目惚れから見合いにこぎ着けたなんて知られたらストーカーだと思われて引かれるかも」と本当のことを言っていないので、愛し合っていながらもどこかすれ違っているという危うい状況。

嫉妬に狂った正のプレイあり、婚約白紙騒動あり、とその後も山あり谷ありですが、元々想い合っている二人は引き裂かれることなくハッピーエンドを迎えます。

あらすじが長くなってしまいましたが、改めて読み返してみて「一華ちゃん、感度いいな・・・そして身体が素直・・・」と思いました。もちろん、正の学習成果と、彼の愛による丁寧な愛撫のおかげもあると思うんですが、こんだけエロく応えてくれたら、そりゃあ覚え立てのおサルさんみたいに夢中になっちゃいますよね。

この作品は作者さんの童貞愛から来ているだけあって、各Hシーンの二人のやり取りの描写がすごく丁寧で、沢山ページを割いています。イラストも多めなので、「初心者同士は見てらんない」という方以外は楽しめるんじゃないかなぁ。オススメです♪

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