著者 :木下杏
イラストレーター:小島ちな
レーベル :チュールキス
出版社 :ジュリアンパブリッシング
出版年月 :2020年3月
ジャンル :TL、エリート上司物
ヒーロータイプ:エリートイケメン、怖い系上司
ヒロインタイプ:普通のOL、人付き合いは普通にできるがガードは固い
Hシーン : 有り
あらすじ:
澪は建材メーカーの営業三課で働く26歳。三課の課長の軍司は30歳で早くも課長代理のエリートでイケメンで女性から人気があるが、仕事に厳しく「鬼軍曹」と呼ばれている上に「社内恋愛はしない」と公言している。澪は軍司の良さは認めつつも「私なんか相手にされない」と対象外においていた。ある日の飲み会で偶然、軍司と二人きりで話す機会があり、珍しくプライベートの話になる。澪が憧れていた街でマンションを借りている話に興味を示すと「なら俺の家に来る?」と誘われ・・・
<ネタバレあり感想>
個人的には結構好きな話でした。
大まかなストーリー的にはよくあるパターンで「エリートと一線を越える」→「遊びのつもりなのか不安」→「ライバル出現そしてすれ違い」→「解決してめでたし」みたい流れなんですが、描写が丁寧で自然なんですよね。
上司の軍司も現実味のないタワマンに住んでる御曹司とかじゃなくて、「イケメンで仕事ができるだけの人」(←良い意味)なので、1LDKSに住んでるところとか好感持てます。(御曹司モノを読みすぎるとお部屋訪問でのリビング描写とか「もう読み飽きたわ!」ってなりません?)
そして澪の、傷つかないように防御線張ってるところとか、部屋に誘われたけどどう受け取ったらいいか友達に相談しているところとか、一線越えた後で今更「付き合ってるということでいいですか」と聞けないところとか、見方によってはうじうじしているように見えるけど、そういう「自分の勘違いや自惚れだったらどうしよう」という怖さがすごくよく分かる。
すごく女慣れしてる軍司だけど、「実は澪のこと好きだった」とわかり、改めてストーリーを読み返してみると「こいつかなり必死だったんだな・・・」と2度美味しい気になります。
Hシーンもすごく自然というか現実味があって、でもちゃんとエロくていいです。
正直言うと、軍司の上司じゃない時の感じも嫌いではないけど、落差がありすぎてなんか普通に女に慣れてる若いにいちゃんみたいな気がして、「年上鬼上司攻め」を期待していた自分はそこだけ残念に思ったのですが、まぁ、それは別な話で読めばいいので、総合的に大満足です。