超絶エリートな幼馴染みはケモノな欲望を隠している (石田 累、 彩埜、オパール文庫)

TL小説

著者      :石田 累
イラストレーター:彩埜
レーベル    :オパール文庫
出版社     :プランタン出版 
出版年月    :2017年10月

ジャンル   :TL、エリート物
ヒーロータイプ:エリートイケメン銀行員
ヒロインタイプ:商社勤務、わりと美人だが男性経験はない
Hシーン   :有り

あらすじ

有名商社の法務部で働く奏子の前に、10年以上会っていなかった幼馴染・神木がプロジェクトのために銀行から出向してきた。小中高とライバルのように競ってきた彼に、最後に傷つけられた思い出があり、許せないと思っているのに、彼は軽薄に声をかけてくる。仕事の都合で渋々一緒に飲むことになったが、気が付くと2人でホテルにいて・・・?

ネタバレあり感想

タイトルから「幼馴染と会社で再会したら、彼は超絶エリートになっててなんか腹立つ~、それなのに何でか私に構ってきて困っちゃう」的な、ウフフアハハなお気楽な話を想像してたんですが、思ったより複雑な構成で読みでがあり、ちょっとだけドロドロしてました。

会社内部、そして会社同士の陰謀という産業スパイ的な謎が一つ。
もう一つは「ヒーローはなぜ高校卒業時に突如姿を消したのか」という謎。
2つの謎が過去も織り交ぜながら展開していきます。

産業スパイの方は、私の頭では若干理解がおっつかないくらい込み入ってましたが、最後の方に解答があるので大丈夫です。
嫌な奴が色々出てきて人間不信になりそうになります。

もう一つの謎の方。
ヒーロー・神木はヒロイン・奏子の住む田舎に小4の時に引っ越してきます。
奏子の家は殿様の流れを汲む名家で、奏子自身、勉強や柔道も努力して学年のリーダー的存在でしたが、田舎には珍しいくらい垢ぬけてて頭の良い少年の登場にその立場を脅かされます。
それでも良きライバルとして小中高過ごします。
同じ東京の私立大学に進学するはずだったのに、卒業式当日、彼は一人上京して姿を消してしまいます。
その前日、奏子を傷つけるような出来事を残して。

そのくせ、10年以上経って偶然再会したら馴れ馴れしく声をかけてくるので奏子はイライラします。
彼は何を考えているのか。
その辺も謎だったりするんですが、ただ、ところどころ神木視点が入るので、読者は神木が奏子を大事に思っていること、昔から好きだったことは早々にわかっています。
それなのに過去も現在も彼女を突き放そうとする。
なぜ彼が気持ちと矛盾するそんな行動を取るのか、という秘密は最後の最後にようやく明かされます。

私はヒーローが鈍感なヒロインにベタぼれな設定が大好きなので、神木が昔から奏子が好きで好きで邪魔者は排除していたっていうエピソードが好きです。
奏子とは付き合えないと思っているくせに、奏子が傷つけられることが絶対許せなくて暗躍したり助けに来たり。
一途なんですよね~

まるでプラトニックラブのような感想ですが、Hシーンは結構あります。
付き合わないくせにするんかい!的なことを途中ヒロインも言っちゃってますけど、ほんまそれ。
でも念願かなって初恋の彼女を前にして歯止めが利かないヒーローもまた良し。

一筋縄ではいかない幼馴染の恋愛をぜひお楽しみください。

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