草食系(?)僧侶と小悪魔ちゃん(麻生ミカリ 、アオイ冬子、オパール文庫)

TL小説

著者      :麻生 ミカリ
イラストレーター:アオイ 冬子
レーベル    :オパール文庫
出版社     :プランタン出版 
出版年月    :2016年1月

ジャンル   :TL、現代物
ヒーロータイプ:イケメン僧侶、誠実爽やか好青年
ヒロインタイプ:一途がゆえに計算高く猫かぶり
Hシーン   :有り

あらすじ

20歳の大学生・明日香は10歳の頃から6歳年上の近所の寺の跡継ぎの継深(つぐみ)に恋をしている。初恋をこじらせすぎて、彼に似合う女になるために物分かりが良く上品な女の子を装ってきたが、告白しても「俺もあーちゃんのこと好きだよ」と返され妹扱いのまま。この状態を突破するために「不感症を治すためのレッスンをして」と継深を押し倒してみたが・・・?

ネタバレあり感想

ヒロインがすがすがしいほど一途で計算高いです(笑)
この手の小説でここまで押せ押せなヒロイン、初めて読みました。

ただ、彼女の積年の思いは本当に純粋で、初恋の相手である「つぐ兄」の全てが愛おしい。
彼の一挙一動に悶え、キュン死しそうになっています。
「6歳差なので彼が学生時代に恋人いたことはしっているし、嫉妬しないわけじゃないけど、最後に私が恋人になれれば良い」と考える冷静さの持ち主で、彼に選ばれるために清楚で上品で大人びた女の子であろうと猫をかぶって努力しています。

そんな彼女の想い人の「つぐ兄」こと継深は、清廉・誠実を絵に描いたようなピュアなイケメン。
(とかいって最後の方に実はとんでもない腹黒が暴露されるのでは?と思っていたんですが、マジで最後までピュアだった)
照れたり動揺したりすると敬語になる可愛さもあります。
彼は近所の女の子である明日香を「あーちゃん」と呼んでおり、明日香の告白には「本当の妹みたいに好きだよ」と返してきます。

「マルチーズ女」というライバルが現れ、うかうかしていられないと思った明日香は身体でせまって既成事実を作ろうと作戦を練ります。(こういうところが計算高い)
処女の分際(?)で「不感症を治したいの、こんなこと優しいつぐ兄にしか頼めない」と嘘を吐いて押し倒します。
とまどう継深ですが、「こんなこと俺以外に頼んじゃだめだよ?」とレッスンを引き受けてくれます。

これがびっくり、継深なんですけど、普段は超ピュアなのに、欲情スイッチ入ると急にテクニシャンになって攻め気が出てくるんですよ!
処女の明日香は翻弄されます。
でも彼女も彼女で小悪魔なので、意識・無意識両方で彼を煽り返したりします。
そうすると継深は「・・・そんなかわいいこと、言わないで。俺の理性、もう焼ききれそう」とか言って照れちゃったりします!
なんか、このピュアと獣の移り変わりがすごく自然で「なんなの、このナチュラルエロイケメン!」と思わされます。
(作中で明日香もたびたび心の中で悶えてます)

明日香がライバルとやり合ったり、継深に(文字通り)体当たりしていく中で、猫かぶって装ってた自分を少しずつ脱いでいきます。
嘘ついて継深を手に入れようとしていたけど、それができなくなって正直になるシーンも彼女の純粋さが出てて好きです。

押せ押せの小悪魔とタジタジなのにエロ上手の僧侶の恋物語、楽しいですよ~
アオイ冬子さんのイラストもとても綺麗でイメージぴったりです。

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