ずっとあなたを愛してた 王妃と侯爵 (ナツ,天路ゆうつづ,ティアラ文庫) 

TL小説

著者      :ナツ
イラストレーター:天路ゆうつづ
レーベル    :ティアラ文庫
出版社     :フランス書院
出版年月    :2019年12月

ジャンル   :TL、ファンタジー
ヒーロータイプ:若き国王の側近として仕える宰相。完璧な貴公子と言われている。
ヒロインタイプ:聡明で腹の据わった公爵令嬢。
Hシーン   : 有り

あらすじ

公爵令嬢のプリシラは15歳。即位したばかりの1つ年上の国王に嫁ぐことになった。若き国王には事情があり、それを理解した上で彼を支えることを求められる結婚だった。全てを覚悟して王宮にやってきたプリシラは、中庭で完璧な貴公子と噂されるマクファーレン子爵・ジョシュアに出会い・・・

ネタバレあり感想

こんなに素敵なラブロマンスだとは・・・!
読み始めで予想していた以上の内容で大感激です。

あらすじにもある通り、プリシラは国の重鎮である父から「国王を支えるための王妃として嫁ぐ」ことを打診されます。背景には表沙汰にはできない重い事情があり、彼女の献身は報われないかもしれないし、王妃として愛されることも期待できない。
それでも貴族の責務として彼女は王妃になることを決意します。

この導入で「なるほど、心を閉ざした国王と心を通い合わせて愛を育んで行くのね」と思っていたら、結婚式の準備期間にプリシラの前に国王の側近であるジョシュアが現れます。
プリシラをメイドと勘違いする彼に、覚悟を決めたものの重圧に押しつぶされそうだったプリシラは偽名でメイドのふりをします。
彼と中庭でほんの少し話をするだけ。
それでも王妃ではないただのプリシラとしてのそのひとときは彼女にとって心を整える大事な時間でした。
そして結婚式の前に、こうして会えるのはもう終わり、と2人はそれぞれの立場に合った挨拶をしてそれぞれの道に進んでいきます。
プリシラのスッと背筋の伸びた姿に「なんだよぉ~、悲恋なのかよぉ~(泣)」と先を読むのが辛くなりそうでした。

ネタバレあり感想ではあるけど、正直、この辺りで先に予備知識なしで読んで欲しい。
「国王とくっつくの?やっぱりジョシュアなの?」とかね。
私と同じくらい先が読めずにドキドキして欲しい。

とにかくプリシラは聡明で覚悟が決まってるんですよ。
自分可哀想なんて決して思わない。
結婚してからも、精神的に不安定な国王ルークを支えるために自分が何ができるかを常に考えていて、ルークを守るために自分が悪評をかぶっても構わない。

国王の側近であるジョシュアは、そんな彼女の強さを眩しく思いながら、彼女をさりげなく守り、心を配ります。
2人は大事な国王ルークを守る同志。
月日が流れ、2人の献身の甲斐もあり、国王も持ち直して持ち前の明るさを取り戻します。

この国には嫁いで10年経っても子ができなかった王妃は家へ帰されるという決まりがあります。
国王との間に子のないプリシラは修道院に入るつもりでしたが、国王から降嫁を打診されます。
お相手はジョシュア。

「ここからジョシュアルートが始まる!!!!」
ここに至るまでもジョシュアの「王妃に対する側近の態度」を越えそうで越えない想いが見え隠れしているところでのジョシュアへの降嫁。
プリシラにとっても今から思えば初恋の相手。
どう考えても両想い。
ジョシュアからの希望での降嫁となれば、あっさり話が終わりそうに思うじゃないですか。
しかし、私はKindleで読んでいるのですが、確かこの辺りでまだ全体の35パーセントくらいだったんですよね。
そう一筋縄ではいかないんですよ。

紆余曲折あるものの、結局のところ、想い合うがゆえのすれ違いなわけで。
ここからは、もう想いを隠さなくても良くなったジョシュアの「これでもか!」な想いがガンガン飛んできてトキメキっぱなしです。
プリシラは、頭がキレるわりに案外自分のことに鈍かったり、紆余曲折にからむ事情があったりしてジョシュアの想いを素直に受け止められなかったり、気づかなかったりするのですが、そんなつれないプリシラにジョシュアがヤキモキさせられたり、煽られたりしてるところも見所です。

最後の方はとにかくラブラブラブラブなので、両片思いからのハッピーエンドに満足間違いなし!
一生報われないかもしれない想いを一人の女に捧げる一途な男に萌えるかたに大オススメです!!!!
天路ゆうつづさんの描かれるジョシュアとプリシラが美しく、イラストも必見です。

タイトルとURLをコピーしました