著者 :古池マヤ
イラストレーター:紡木すあ
レーベル :PRIMO NOVELS
出版社 :ぶんか社
出版年月 :2022年12月
ジャンル :TL、ファンタジー
ヒーロータイプ:頭の切れる見目麗しい皇太子。冷静で無表情なことが多い。
ヒロインタイプ:控えめで自分よりも周りを優先してしまう心優しい性格。
Hシーン : ほぼ無し
あらすじ
バルディンの皇太子キースファルトの元へ、戦争に負けた隣国リデアから花嫁として王女が献上されてきた。長いこと戦ってきて辛酸を嘗めさせられてきたバルディンのリデアに対する悪感情は強い。どんな裏があるか分からないと心して望んだ対面で、美しい花嫁はキースファルトに満面の笑みで微笑みかけた。見とれたキースファルトだが、騙されまいと冷たい態度を取り・・・
ネタバレあり感想
正直、ちょっと良い感想がかけないと思って、紹介しないつもりだったんです。
でも先週の記事を読み返して、この作品は「辛い過去とかエエねん」の真逆だな、と思ってあえて書いてみることにしました。
読んでいる最中の私のメモ
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もうつら過ぎて読みたくない…
不幸な境遇からの幸せがストーリーの醍醐味とは言え、ツラさの波状攻撃。
最初の方のいびられ辺りはまぁ、よくある。
遠ざけられる、誤解、信じてもらえない、疑われる。
この辺も1、2個だったら良いんだけど、全部乗せで来る。
しかも好きな人からも。
明るい兆しが見えても潰される。
しかもより一層悪い方向で。
ツラみ…
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この辺りでKindleの表示が53パーセントくらいだったんですよ。
明るい兆しからのズドンが来て、更に追い打ちのズドンがきて、もういっちょズドンくらいの感じで。
多分、ハッピーエンドなんだと思うんだけど(それすら信じ切れなくなる)、このズドンからハッピーに持ってくのが残り47パーセント続くのかと思って憂鬱になりました。
それでも覚悟を決めて続きを読み始めたんですが、なんと、63パーセントで本編終わりだったんですよ!!
ズドンの底から10パーセントでひとまずのハッピーエンド(といっても勿論やっつけではないですよ)になって、ある意味拍子抜け。
それじゃ残りの37パーセントは何?というと後日譚というか、これも作者さんの中では本編の一部なのかな??とにかく本編のその後になります。
ひとまずのハッピーエンドが真のハッピーエンドになるまで。
糖度120パーセントです。
ひたすらキースファルトの溺愛っぷりが描かれます。
本当は互いに惹かれ合っていた2人なのに、キースファルトに植え付けられた思い込みと彼の頑なさがドン不幸を呼び寄せたといっても過言では無い。
それを心底後悔した彼が、後日譚では自分に正直になって、自分よりも大切なヒロイン・ティナーリアをひたすら守り慈しみます。
溺愛好きにとっては、とんでもなく美味しい。
読んでて「愛されてる~」って思えるんですが
さっきドンの底の底の底の気分だった私には溺愛が染みこまなかったんですよ・・・
ティナーリア、初恋が報われて良かったね、とずっと見守ってきた侍女の気分になりつつも、やっぱりどっかで「キースファルト、遅せぇんだよ!気づくのが!」って思ってしまって。
そのくらい本編が私にとっては衝撃的だったってことですね。
イラストを描かれている方がコミカライズもされているみたいです。
まだそちらは見ていないのですが、イラストが素敵なので、全編を漫画で読めるのはいいですね。
あの途中の暗さも漫画だったら消化できるのかもしれませんな。
ハッピーエンドが約束されていても暗い辛い展開が苦手な方にはオススメできませんが、
想い合う二人が困難を乗り越えて結ばれるお話が好きな方にはオススメです!