ホテル王の執愛 ~節約女子は逃げられない~ (秋花いずみ、いしはま、こはく文庫)

TL小説

著者      :秋花いずみ
イラストレーター:いしはま
レーベル    :こはく文庫
出版社     :くるみ舎
出版年月    :2020年10月(Kindle版)

ジャンル   :TL、愛され物
ヒーロータイプ:真面目系コンシェルジュ、ホテルの跡継ぎ
ヒロインタイプ:健気系
Hシーン   :有り

あらすじ:

父が背負わされた借金を返すため、高卒でホテルの客室係として働く雫は同じホテルのコンシェルジュ・桐生に憧れている。貧乏なため普段は飲み会に参加しない雫だが、仲の良い同僚が誘ってくれた飲みに桐生が参加すると聞いて出席することにする。桐生と席が隣になり、緊張しつつも慣れないお酒を飲んでいるうちに泥酔してしまった雫は気が付くと桐生の家のベッドの上にいた。恐縮しつつも、こんな機会2度とないかもしれないと、ずっと憧れていたことを告白した雫に桐生はキスをしてきて・・・

<ネタバレあり感想>

このお話を読む前にたまたま同じ作者さんの「エリート上司はこじらせ女子の部下を自分のものにしたい〜数年ぶりに、恋してもいいですか?〜 (LUNA文庫)」を読みまして、どちらも「実はずっと君が好きだった」的な「想われ女子」のラブストーリーだったんですが、私はこちらの話の方が好きです。
「想われ女子」系の話って主人公が鼻につくとダメだと思うし、ヒーロー側が分かり易すぎるアプローチをしていると「これで彼の気持ちがわからないとか気づかないとかどんだけ鈍感なの」って思っちゃうんですよね。
その点、このお話はイラっとせずに「想われ女子」の甘い部分が楽しめるバランスになってます。

雫は桐生に憧れているけど、相手はホテルの御曹司で、自分の家は借金持ち貧乏と分かっているので、お酒をきっかけに一夜を共にすることになった時に「桐生さんに抱いてもらったことを一生の思い出にしよう」と思い身を任せます。
でもそこは「実は君がずっと好きだった」(と分かるのは後半の方ですが)系の話なので、桐生は一夜限りにするつもりなどなくて、翌朝「責任は取る、結婚を前提に付き合ってほしい」と言い出し、雫は「私みたいな貧乏人が桐生さんと付き合えません」といって遠慮します。
それでも桐生があきらめないので、後日、家族で住むオンボロアパートまで送ってもらって現実を知ってもらおうとしますが、雫の家の事情を知っても引かないどころか優しい言葉をかけてくれるので、恋人として付き合っていく決意をします。
まあ、一応話のアクセントとしてその後、桐生のお見合い話とか出てくるんですけど、変にもったいぶっていざこざを長引かせたりしないでスピード解決してラブラブしてくれたので、その点もストレスフリーで良かったです。
一つ注意があるとすればタイトルが「ホテル王」なので、ハーレクインに出てきそうなホテル王を想像しがちですが、ヒーローはそこまでスケールでかくないです。
あ、でも桐生のおじいさんが経営者だからおじいさんはホテル王と言えるのかな?一度も出てきませんけど。

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