侯爵令息は意地っ張りな令嬢をかわいがりたくて仕方ない (山野辺りり 、ことね壱花 、蜜猫文庫)

TL小説

著者      :山野辺りり
イラストレーター:ことね壱花
レーベル    :蜜猫文庫
出版社     :竹書房 
出版年月    :2018年4月

ジャンル   :TL、ファンタジー
ヒーロータイプ:華やかな見た目で社交的な侯爵家長男、シスコン
ヒロインタイプ:真面目で潔癖、いじっぱり
Hシーン   :有り

あらすじ:

男爵令嬢のクローディアは、婚約者に親友と浮気された挙句に「君がお堅くて可愛げがなかったせいだ」と被害者面をされ、責任を押し付けられる。婚約破棄となり傷心で引きこもっていたが、心配した叔母に、叔母の代わりに侯爵家の令嬢の家庭教師をやることを提案される。分厚い眼鏡と地味な服で変装して住み込みで働くことになったが、侯爵令嬢の兄で遊び人と噂のシリルには変装がすぐばれてしまい、やたらとちょっかいをかけられるようになり・・・

<ネタバレあり感想>

先日記事を書いた「伯爵令息は箱入り令嬢を甘やかして溺愛したい 秘蜜の夜にとろけるキスを (蜜猫文庫)」のヒロインの兄夫婦のなれそめのお話です。
規範意識が強いクローディアは浮気した婚約者の言動に傷つき、自信を喪失しています。
気分を変えるために叔母の代わりに家庭教師として素性を偽って住み込んだ侯爵家で生徒の兄シリルと出会います。
華やかな容姿を持ち、クローディアに対して「可愛い」などの誉め言葉を簡単に口にする彼の女性慣れした態度に警戒心を抱き敬遠します。
しかし、ある日お酒の入ったケーキを口にしたクローディアは酔っぱらってしまい、屋敷の中で出くわしたシリルに普段の枷をとっぱらって甘えてしまいます。
一線は越えなかったもののシリルにとっては小悪魔じみた振る舞いをしたのに、翌日クローディアは綺麗さっぱり忘れており、シリルから「次はない。僕の忍耐力を試しているなら、後悔させるよ?」と警告されます。
ところが、ある出来事からヤケ酒を飲むことになったクローディアはまたしてもよっぱらって、シリルの部屋に押しかけてしまい、警告どおり彼と一線を越え、固く守ってきた純潔を散らします。
翌朝我にかえり、家庭教師の身でありながら雇用主の家族と関係を持ってしまったと青くなり、なかったことにしてほしいとシリルに頼み、内緒にする代わりに夜に自分の部屋で話相手をするように言われ、部屋を訪れますが、彼の策略によりまたよっばらって抱かれてしまいます。
絶対お酒を口にしないと心に決め、隙を見せないようにしているうちにシリルが仕事で半月くらい不在になり、クローディアは「彼に会いたい」と思っている自分に気づきます。
・・・とまぁ、こんな感じで、シリルの自分を全肯定してくれる言葉に包まれながら、お酒の力を借りつつ身体の快楽で自分の殻を破り始めたクローディアが、自分の欲望に素直になって自分を取り戻していき、最後には元婚約者と対決できるようになっていくんですよねぇ。
まぁ、かなり身体の快楽のよるところが大きいんですけどね。
どのシーンも淫らで、描写がありきたりじゃなく丁寧でいいです。
シリルがクローディアを導いて教えこんでるんだけど、でもクローディアの小悪魔っぷりに翻弄されてるあたりが「先に惚れたほうが負け」な感じがして好きです。

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