悪役令嬢ですが、王太子(攻略対象)の溺愛がとまりません(鬼頭香月,ウエハラ蜂,ガブリエラブックス)    

TL小説

著者      :鬼頭香月
イラストレーター:ウエハラ蜂
レーベル    :ガブリエラブックス      
出版社     :メディアソフト
出版年月    :2021年12月

ジャンル:TL、ファンタジー
ヒーロー:王太子。聡明で美しい婚約者。
ヒロイン:17歳の『聖女』。ある日、自分が転生者であることに気づく。
Hシーン: 有り

あらすじ

ルーシャは、この世界に一人しかいない「神の愛し子」と呼ばれる聖女で、神の声を聞き、大地を浄化させる力を持つ。7歳の時、神のお告げで王太子であるノエルと婚約し、彼と恋を育んできた。しかしある時、神から「ノエルに他の婚約者候補が現れて、おまえは悪女のように心ない振る舞いをしていくだろう」と告げられショックを受ける。同時に、この世界が前世でプレイしていた恋愛ゲームの世界だと気づき・・・!?

ネタバレあり感想

作者様も違うし、実際の筋立てはかなり違いますが、お話としては先日ご紹介した『悪女なので復讐される、はずでした ~なぜかヤンデレ王子の最愛欲で甘く満たされています~』に近しいものがあります。
つまり「ヒロインは自分が悪女だからヒーローと結ばれないと思いこんで逃げようとしてるけど、ヒーローは諦める気なんてさらさら無いから許さないよ」系です。
こちらの作品も「僕がどんなに君を想っているかわからせてあげる」的なお仕置きシーンがあって、ほんっとうにご馳走様です。

あらすじにもある通り、ルーシャは世界に一人の聖女として幼い頃から家族から引き離されて神殿で活動してきました。途中で神の託宣により、5歳年上のノエルと婚約しましたが、聖女は純潔でなければならず、次代の聖女が現れるまでは結婚できない状況でした。

そこへ新たな神の託宣があったものの、内容は「新しい聖女が現れて、その子はノエルの恋人候補として多くの者の心を魅了し、お前は悪女のように彼女に心ない振る舞いをするだろう」というもの。
その託宣と同時にルーシャは「この世界が前世でプレイしていたゲームの世界で、自分は悪役令嬢に転生したのだ」と気づくのでした。

ノエルに恋をして二人で結婚する未来を夢見ていたけど、実はノエルは私の我が儘に付き合っていただけかも・・・。
今は私のことを好きと言ってくれているけど、そのうち新しい聖女に心変わりをしてしまうに違いない・・・。

確定した未来に打ちのめされたルーシャは、せめて家族を巻き込まないで国外に逃げようと画策しますが、相手は有能、かつ、ずっとルーシャを見てきた王太子。
ルーシャの言動に違和感を抱きます。
ルーシャの聖女の力が弱まっている⇒自分たちの結婚が近い⇒なぜルーシャはそれを喜ばない??

どうやらルーシャが自分から逃げようとしていると気づいたらお仕置きのターンですよね!

正直、お話の最初の方ではルーシャの方が積極的で、王太子は受け身だったので「なんだかな-」と思っていたのですが、王太子視点で読むと「君はよく頑張った、いっぱいお仕置きしていいよ(ハート)」と背中をポンポンと叩いてやりたくなります。

ルーシャは幼い頃からずっと一人で聖女をやってきただけあって、責任感があって、周りへの思いやりがあります。幼い自分を婚約者として助けてくれて、ずっと側にいてくれたノエルのことが心から好きで、ノエルにだけ我が儘を言ってしまうようないじらしい女の子なんです。

そんな彼女が「ノエルを奪われ、さらにはお前は悪女になる」というようなことを言われて、本当にショックで悲しかったと思います。それでも、家族を破滅に巻き込まない最善の方法で生き延びようと、彼女なりに考えて一生懸命行動してるところが可愛いなぁって。

こういうストーリーって、読者からすると、ヒロインの明後日な思い込みの激しさにヤキモキさせられがちですが、ルーシャは応援してあげたくなりますね。
そしてヒロインが逃げようとすればするほど、ヒーローの執着とか嫉妬のような病み要素が凝縮されるので、とっても美味しい。
逃げるヒロイン&執着ヒーローが大好きな方にオススメです!


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