著者 :マチバリ
イラストレーター:中條由良
レーベル :ベリーズファンタジー
出版社 :スターツ出版
出版年月 :2023年7月
ジャンル:TL、ファンタジー
ヒーロー:
ヒロイン:公爵令嬢。王太子から婚約破棄され、国を追われる
Hシーン: 無し
あらすじ
公爵令嬢のリーナは、王太子の婚約者として日夜努力していたが、学友の男爵令嬢を虐めたとして王太子から婚約破棄され、国外に追放された。あれから5年、王太子を始めとした、当時彼女の周りにいた人物たちにリーナからの手紙が届く・・・
ネタバレあり感想
「さすがマチバリ先生」とうならされる傑作です。
正直、最初はあらすじを読んで「復讐物だし、なんだか陰湿な感じで、いくら『ざまぁ』だったとしても気乗りしないなぁ・・・」と思ったんですが、読み始めてみたらグイグイ引き込まれました。
全編通じて「ざまぁ」の連続です。
しかも相手は婚約破棄した王太子とヒロインをはめた男爵令嬢だけじゃない。
あと、ヒロインほぼ不在です。
逆に姿を現さないヒロインが不気味さをかき立てます。
(まぁ、途中でどこにいるのかうっすら察せられるんですけどね)
各登場人物が、ヒロイン・リーナから来た手紙に踊らされて、どんどん悪手を取って、最終的に破滅に至る過程が詳細に描かれてます。
私たち読者はそれを「あーあ」と思いながら見ているしかない。
黒幕と同じ立場で、人間の身勝手さとか、ずる賢さ、高慢さを冷静に観察させられている。
抑えた文章で、うすら寒さを感じます。
「ざまぁ」モノのお決まりとして、ただの断罪ではなく「正義は勝つ」で終わりますので後味の悪さはない・・・
でも、いや、どうなんだろう・・・
私はちょっとラストも怖いと思いますよ。
(この先若干ネタバレなので、見たくない方はここまででお願いします)
本当にヒロインは聖なのかって。
ヒロインは本当に何も知らず、全ては○○が勝手にやってました・・・というのがこのお話の結末の面白いところだと思うけど、それすらもヒロインの計算だったら「鬼怖えぇ女」だなって。
ぞわぞわする復讐譚を読みたい方はぜひ!!
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