悪役伯爵夫人をめざしているのに、年下王太子に甘えろ溺愛されて困ります (しみず水都、八美☆わん、蜜猫novels)

TL小説

著者      :しみず水都
イラストレーター:八美☆わん
レーベル    :蜜猫novels
出版社     :竹書房 
出版年月    :2021年1月

ジャンル   :TL、ファンタジー物
ヒーロータイプ:気弱でおどおどした王太子、実はそれは仮の姿
ヒロインタイプ:女伯爵、一見大人しそうだが肝が据わると強い
Hシーン   :有り

あらすじ

20歳のイレーネは祖父ほどに歳の離れた伯爵に嫁ぎ、先立たれた未亡人。跡継ぎがいないため女伯爵として伯爵領を守っていくことになったが、彼女の身分に群がる男達と、そんな彼女に嫉妬する女達に悩まされている。いっそのこと悪女として振舞うことにしたが、諦めの悪い男達にしつこくされ、王太子が恋人だと口走ってしまい、それを王太子に聞かれてしまって・・・?

ネタバレあり感想

あまり見ない設定で面白かったです!
よくある「悪役令嬢系」の転生モノかと思いましたが、全然違いました。

あらすじの通り、敬愛する伯爵を亡くして喪に服して領地の経営に専念したいのに、女伯爵と結婚して自分の子供を伯爵にしたいと考える男達と、「わざとらしく喪服を着て未亡人ぶることで男の気を惹いている」とやっかむ女達に悩まされたヒロイン・イレーヌは、ある事件をきっかけに「このままやられっぱなしではだめだ」と思い、気が強い悪女として振舞うことにします。
一時は成功しましたが、高嶺の花に逆に興味をそそられる一部の男が言い寄ってきて、思わず口走ったのが「恋人が王太子」でした。
それをちょうど王太子に聞かれてしまいます。

この国の王太子は17歳で、この国では成人とされているものの、重要な会議の場でも下を向いてオドオドしていて、パーティーなどにもほとんど顔を出さないため、無能で将来が心配と噂されています。
王太子はイレーヌの発言を聞いて一瞬びっくりしたものの、彼女の手を引いて連れ出し、控えの間に連れ込みます。
自分の発言を詫びるイレーヌに対し、「大人の夜をすごすんだよね?」と迫ります。
そして身体の関係を持った二人は、「男除けと嫉妬除けしたい」女と「愛妾を作れと周りに言われるのがめんどくさい」男として契約をします。

実はオドオドしているのは仮の姿で、本当の王太子は頭の切れる有能な男なんですよね。
悪女で奔放な振りをしているイレーヌが頑張ってエッチな演技をしているのに、途中から王太子のペースに巻き込まれてしまいます。

私が好きなシーンは噴水のそばでエッチするシーンですね。
周りが2人に注目しているのがわかっている状態で、見せつけるために演技しながら本番をするという、かなり高度なテクのシーン。
ほとんど王太子の演出の元に行われてて、王太子のあざとい演技にニヤニヤしてしまいました。

王太子は切れ者設定とはいえ、17歳で歳若いし、ずっと悪評にさらされてきたのでちょっと精神的に弱るところもあります。
でも逆に、年上で優しくも芯が強いイレーヌが彼の支えになる唯一無二の存在なんだなーと実感できます。
私はヒーローが年下なのはあんまり萌えないんですけど、この姉さん女房カップルはほっこりしていいです。
わりと短めのお話なので気になったらぜひ読んでみてください。

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