著者 :佐倉紫
イラストレーター:ことね壱花
レーベル :ロイヤルキス
出版社 :ジュリアンパブリッシング
出版年月 :2020年9月
ジャンル :TL、ファンタジー
ヒーロータイプ:新興の美容総合商社を経営する美貌の金持ち。貴族に不信感がある。
ヒロインタイプ:伯爵家の一人娘。気が強く、行動力がある一方、まっすぐで優しい。
Hシーン : 有り
あらすじ
アストリー伯爵家の一人娘、ミレイユは、父が作った借金返すため、貴族の称号を欲しがる男性と結婚することになる。借金取りに斡旋された男性は美容商社を経営する資産家のテオドールだった。顔合わせでミレイユはその美貌に見とれたものの、テオドールは不機嫌で喧嘩腰な態度を隠そうともしない。不穏な空気から始まった二人の結婚生活は・・・?
ネタバレあり感想
初手で対応間違えて中々素直になれない男と、買われた身を気にする女のもどかしいお話です。
アストリー伯爵家の一人娘、ミレイユは、母を亡くし、失意の父が身を持ち崩していくのをどうすることもできずに見ていましたが、父の借金が膨れ上がり、とうとう借金取りが家に来る窮状に。
このままでは父が監獄に入れられてしまい、伯爵家が無くなって屋敷で働くもの達が困ってしまう、と考えたミレイユは自ら借金取りの元に足を運び、交渉します。
その結果、伯爵家の称号を欲しがる男性を婿に取れば良いと言われ、覚悟を決めてその話を受け入れることになります。
誰を斡旋されたのかも分からぬまま、顔合わせに出向いた場所は最近話題の美容商社。
そこで初めて、結婚相手がそこの社長のテオドールであることを知ります。
ウェディングドレスの試着をしている場にズカズカと入ってきたテオドールは、ミレイユを「高慢なお貴族様」と呼び、不機嫌で失礼な態度を崩しません。
しかも、「この結婚の目的は爵位を手に入れること」「うちのドレスを着てせいぜい広告塔になってくれ」と言います。
ミレイユは彼が入ってきた瞬間、その美貌に見とれていただけに彼の態度に失望しますが「借金を一括で肩代わりしてくれたんだし、年寄りや変態じゃなかっただけマシ」と思うことにします。
そんな感じで始まるんですが、テオドールは今まで貴族にバカにされまくってきたので、貴族を恨んでいます。しかし、ドレスなどを扱うがゆえに、貴族の仲間入りをしないと成功できない。
ミレイユと結婚するにあたり、アストリー伯爵家を調べて浪費で借金をこさえたと知ったので、ミレイユにも偏見を抱いていて、どうせ高慢で贅沢好きなわがままな女なんだろうと思っています。
そんな気持ちでの初顔合わせ。実はテオドールはミレイユの見た目に見蕩れてしまいます。
いやいや、コイツは浪費家の悪女だ、と思い直すものの、どうもその気配がない。
他の方の作品でも思いましたが、「あれ、悪女だと思ってたのに、なんだか思ってたのと違うぞ」って男が焦るパターン、好きです。
率直に自分の思い込みを謝罪し、態度を軟化させたけど中々素直になれないテオドールと、自分の立場に自信がなく、愛されていると思えないミレイユ。
結婚して肌も重ねているのに、なかなか互いの気持ちに気づかない二人がもどかしい。
ミレイユが気を張ってツンケンしてるものの、実は真っ直ぐな気性で頑張り屋さんと知っているので、二人が素直に心通わせてハッピーエンドを迎えられてホッとしちゃいました。
実質互いに一目惚れなのに素直になれないラブストーリー、オススメです!
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